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小合溜沿いの草地,2024年10月6日朝,くもり

朝の草地で交尾中のチャバネセセリのペア.雌雄が判別できるかと,区別点を確認してみましたが,チャバネセセリのオスメスの区別は,翅表が一番わかりやすいようです(参考5,6).前翅に環状に並ぶ白紋の大きさがメスのほうが大きいこと,その斑紋の下にオスでは細長い斑紋(性標)があることなど.裏からわかる区別点は,オスのほうが複眼が大きいこと,後翅の外縁の前端が斜めに直線状になっていること,後翅がメスよりも短いことなど.これらの基準から考えると左がオスで右がメスでしょうか.左の個体のほうが翅の色が濃く,やや小型に見えます.



基本情報

和名
チャバネセセリ
分類
節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (チョウ類) アゲハチョウ上科 セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 チャバネセセリ属 (Pelopidas)
英名
Black-branded Swift, Dark Small-branded Swift, Small Branded Swift, Lesser Millet Skipper
学名
Pelopidas mathias (Fabricius, 1798)
状況
IUCN レッドリスト 2024-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend unknown (個体数動向 不明) (参考1)

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2024年9月8日朝,晴れ

林縁の下草で,鳥の糞で吸汁していたチャバネセセリ.チャバネセセリの口吻は長いですね.写真では腹部の先端付近まで伸びていて,体長よりも長いほどです.



オニバス池,2024年7月21日お昼,晴れ

オニバス池の周囲の日陰のススキに止まっていたチャバネセセリ.チャバネセセリは自分の好きなチョウです.後翅裏の円形に並ぶ小さい白い斑紋が目立たず,茶の色味が薄いのが奥ゆかしく感じます.

日本を含む東アジアからインドまで分布するチョウ,だと思っていましたが,参考1によると,アフリカ南部にも分布するとのこと.



園内の水辺,2023年7月16日朝,晴れ

水辺の疎林の中で,数頭のチャバネセセリが下草に止まっていました.新成虫の時期? チャバネセセリは関東以南では幼虫越冬して,成虫は5,6月~11月まで年何回か発生するようです(参考4).葛飾あたりで越冬できているのかわかりませんが,この時期は今年の第2化ぐらいでしょうか.食草はイネ科で,ヨシオギススキチガヤチカラシバセイバンモロコシなど.



小合溜沿いの草地,2022年11月6日午前,晴れ

コセンダングサの花に来ていたセセリチョウはチャバネセセリでした.夏から初秋に見るセセリチョウはイチモンジセセリばかりですが,この時期にはもうまったく見なくなり,わずかに見るのはチャバネセセリばかりです.チャバネセセリのほうが低温に適応しているということでしょうか.



小合溜沿いの草地,2020年10月18日午前,晴れ

日向のセイタカアワダチソウの花に来ていたチャバネセセリ.口吻を激しく動かして,忙しく吸蜜中です.翅がきれいな金茶色に見えています.金色の毛のような表面の鱗粉が取れていない個体です.

小合溜沿いの草地,2020年10月18日午前,晴れ

別個体.



江戸川河川敷,2013年8月25日午前,くもり

河川敷の道沿いに咲いていたオシロイバナに茶色いセセリチョウが来ていました.イチモンジセセリだと思ってよく見たら,後翅の白斑の様子からチャバネセセリのようです.イチモンジセセリは,後翅に大きめの白斑が斜めに一列に並んでいますが,チャバネセセリはずっと小さい白斑が弧を描くように並びますので,はっきり違いがわかります(参考2,3).

オシロイバナは花が筒状なので,蜜のあるところまで遠いように思うのですが,チャバネセセリの口吻は花の蜜に届いているのでしょうか?

江戸川河川敷,2013年8月25日午前,くもり

前翅の白斑も,イチモンジセセリよりも小さめですが,真ん中辺りの白斑は大きいのと小さいのがいるようです.端の方の白点はイチモンジセセリよりもずっと小さいです.

ごんぱち池方面,2013年8月25日午前,くもり

別の場所に移動したら,こちらにもヤブカラシの花の周りに茶色いセセリチョウがたくさん.この場所でのイチモンジセセリ:チャバネセセリの数の比は,3:1程度でした.



参考

  1. Dobson, J.C.H. & Westrip, J.R.S. 2021. Pelopidas mathias. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T161280588A161280592. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T161280588A161280592.en. Accessed on 09 August 2024.
  2. チャバネセセリ. “大阪市とその周辺の蝶”. http://butterflyandsky.fan.coocan.jp/shubetsu/seseri/cha/chase.html, (参照 2024-08-09).
  3. イチモンジセセリとチャバネセセリの違い.“蝶の図鑑(www.j-nature.jp)”. http://www.j-nature.jp/butterfly/zukan/yokunita/seseri.htm, (参照 2024-08-09).
  4. チャバネセセリ. “虫撮り散歩”. http://konohenfurafura.web.fc2.com/chou/3a_chabaneseseri.htm, (参照 2024-08-09).
  5. 81. チャバネセセリ/セセリチョウ科. “神戸の自然シリーズ8 神戸の蝶”(神戸市教育委員会). http://www2.kobe-c.ed.jp/shizen/buttfly/buttfly/08084b.html, (参照 2024-11-03).
  6. チャバネセセリ雌雄差とトガリチャバネセセリとの比較図 . “蝶鳥ウォッチング”. https://yoda1.exblog.jp/19458191/, (参照 2024-11-03).
  7. . “”. , (参照 ).