オヤブジラミ Rough Hedgeparsley
基本情報
- 和名
- オヤブジラミ
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 キク類 セリ目 セリ科 ヤブジラミ属 (Torilis)
- 英名
- Rough Hedgeparsley
- 学名
- Torilis scabra
- 状況
写真とメモ
最新の写真
草地のオヤブジラミ地帯の緑色の中に,ポツポツと花が咲き始めていました.ごく小さいですが,ピンク~シロのグラデーションがきれいな可憐な花です.この緑の一帯は初夏になると一面の赤紫色に紅葉し,異様な夏枯れみたいな光景になります.
去年の夏にオヤブジラミの集落があった場所(ページ下の方に写真あり)に来てみましたら, ちょうど花が咲いている時期でした.花はオヤブジラミの実を小さくしたようなところにごく小さい白い花びらがついたもので, 花序が花柄に分かれて更に小花柄に分かれる形も実のときと同じです.小花柄が長いのがオヤブジラミの特徴(参考3).
花の拡大.白い花かと思っていましたが, 拡大すると花びらの先端が紫に色づいていました.花の根元にはすでに実のトゲトゲの小さいのも付いています.
茎は紫っぽいですが, 葉は緑色ですね.ヤブジラミよりも深く切れ込んだ葉.
この一帯はオヤブジラミでびっしりです.
草地を歩き回っているときに, ある一角がそこだけ緑の草がなく, こんな初夏の季節に茶色く枯れたようになっている場所がありました.そこにあったのが茶色い茎と葉, そしてこの実です.実のサイズは5mmぐらいで, オナモミの実を小さくした感じです.実にはトゲがたくさん生えていますが, このトゲの先端が釣バリのように曲がっており, 衣類や動物の毛などにくっついてしまいます.いつの間にか自分のズボンにも同じ実がベタベタとたくさんついていました.トゲに触っても痛くありませんが, 小さいのでつまんで取るのが大変.オナモミやアメリカセンダングサと同じく, いわゆる「ひっつき虫」の実ですが, この実を初めて見ました.「ひっつき虫」であることから調べるとすぐにオヤブジラミという種類名にたどりつけましたが, 春4,5月に花が咲き, 実がなって枯れてしまう種類なので, この季節に枯れているので正常なんですね.近縁種にヤブジラミという種類もあり, こちらは葉の形や実の大きさ, 実の付き方などが違います(参考2,3).上の写真では実のつく枝(果柄?)が長いですが, ヤブジラミはもっと短く, 実がたくさんくっついているような外見に.実のサイズはヤブジラミのほうが小さいそうです.花と実の季節が, ヤブジラミのほうが1ヶ月ぐらい遅いようです.
分布は日本の他, 中国, 朝鮮.英語名が付いていましたが, その理由は米国に侵入しているからとのこと(参考4).オヤブジラミはまだ局地的ですが, ヤブジラミ(Torilis japonica, 英語名 Erect Hedgeparsley)のほうは米国の相当色い範囲に広がってしまっていますね.
この時期の葉と茎.茶色く枯れているというよりも, 紫色に色づく紅葉の一種という感じなのでしょうか.複葉の葉の一つ一つの部分が細い切れ目になっています.ヤブジラミの葉はもっとふっくらしているとのこと.
白っぽい葉裏.
参考
- “オヤブジラミ”. ウィキペディア日本語版. 2022-06-04. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A4%E3%83%96%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%9F, (参照 2022-06-11).
- オヤブジラミ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/data/oyabujirami.htm.
- オヤブジラミとヤブジラミの違い. “金剛山の山野草”. http://sankakuten.cside.com/sanyaso/gazou/sumf4/oyabujirami&yabujirami.htm.
- Genus: Torilis.: In "Flora of North America". Retrieved from http://luirig.altervista.org/flora/taxa/floranam.php?genere=Torilis.
- . “”. (参照 ) .
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