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園内の池,2023年7月16日朝,晴れ

2週間ぶりに,バンの親子を見に来ました.水辺の草やぶの中からヒュイ ヒュイという声がずっと聞こえていて,まれに草やぶの周辺に親子が姿を表します.どうやら親子は今も住んでいるようです.ヒナを同時に見ることができなかったので,何頭生き残っているのか不明です.

ヒナは頭にも黒い羽が生え揃って全身が黒くなっています.クチバシの色も含めて,親とよく似た雰囲気です.

園内の池,2023年7月16日朝,晴れ



基本情報

和名
バン
分類
鳥綱 ツル目 クイナ科 バン属 (Gallinula)
英名
Common Moorhen
学名
Gallinula chloropus
状況
東京都レッドリスト(本土部)2020年版 東京都区部における区分:[EN] 絶滅危惧 IB 類,東京都本土部全体における区分:[EN] 絶滅危惧 IB 類 (参考1)
埼玉県レッドデータブック動物編2018(第4版) <繁殖鳥> 加須・中川低地における区分:[NT2] 準絶滅危惧,全県における区分:[NT2] 準絶滅危惧 (参考2)
千葉県レッドリスト−動物編(2019年改訂版)[B] 重要保護生物 (参考3)
IUCN レッドリスト 2021-3[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考4)

写真とメモ

バンの親子

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

この春から,園内の池にバンのつがいが居着いているのは気づいていました.いつも水辺のヨシやガマに隠れるように2頭が連れ立って歩いたり,別々に泳いだりなどしていました.この朝,水辺の草陰でつがいのバンの1頭がエサ探しをしており,ちょうどミミズを捕まえたのを見たのですが,その場でミミズを食べずに,クチバシにミミズをくわえて水辺の隠れ家へと泳いでいくのに気づきました.これはもしかして産卵して卵を暖めているパートナーに渡すのかなと双眼鏡で追いかけたら,なんと黒いヒナが6頭,ぞろぞろと親について泳ぎ出てきました.親がくわえて来たミミズはヒナの1頭がもらっていました.上の写真は両親と6頭の子どもの家族全体が写っているところ.

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

茂みの中が隠れ家のようになっているところです.

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

この水辺には隠れ場所が何箇所もあるようで,ちょっとしてからまた来てみたら,もっと近くから観察できるところに移動していました.この時期の親はクチバシと足の付け根が真っ赤です.ヒナは体には黒い毛がありますが,頭部には毛がなくクチバシの付け根は親と同じく真っ赤.目の上が青いアイシャドウのようです.参考7のヒナの写真と比べると,このヒナは孵化してからまだあまり日数がたっていないことがわかりました.この後,だんだんと頭部にも毛が生えてくるのですね.あまり頻繁に見に来るのも悪いので,ヒナが大きくなった頃にまた来てみたいと思います.

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

ヒナはよちよち歩き,よちよち泳ぎで,親はずっとヒナを気にかけて行動しているようです.園内ではカルガモの親子もみたことがありましたが,カルガモの親子よりも,バンの親子のほうが親とヒナが向かい合って世話しているように見える時間が長く感じます.

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

1頭のヒナがスイレンの葉の上に背伸びするように立っていました.バンのヒナは足の全体が黒く,指が長くて立派です.

園内の池,2023年7月2日朝,晴れ

陸上でうずうまっているところ.



水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

復元池の中の島の岸辺にいるバン.春になりもう繁殖期なのでしょうか.くちばしの色のつけの部分が鮮やかな赤です.バンは日本からアジア,ヨーロッパ,アフリカなど広い地域に分布しますが,日本では東北地方以北,世界では沿海州や朝鮮,中央アジアから東ヨーロッパなどの高緯度地方では夏に繁殖しに北上してくる夏鳥で,低緯度地域では留鳥.関東付近でも留鳥になっています(参考4).ということは,園内でもバンの親子などが見られることもある?と調べてみると,睡蓮池での写真を上げている方がいました(参考6).5~6月頃に真っ黒い羽のヒナに会えるといいですね.



小合溜(カワセミの里付近)、2013年11月11日午前、晴れ

カワセミの里の近くの小合溜は、水草が繁茂しています。そこをオオバンが数頭泳いでいましたが、それの近くにバンも1頭見えました。バンのほうが個体数は少ないんですね。クチバシの根元が濃い茶色なので、これは冬の成鳥の色だと思います。



園内の池、2013年1月13日お昼、晴れ

オオバンは園内のあちこちでよく見るのですが、バンには初めて会いました。個体数が少ないのでしょうか。

クチバシとその上の額板は黄色っぽい明るい色です。夏のバンの額板は鮮やかな赤で、冬は地味な暗い茶色になるそうです。この鳥では、冬の茶色とも違ってもっと明るい色です。体の色も薄いので、きっと若鳥だと思います(参考5)。

園内の池、2013年1月13日お昼、晴れ

参考

  1. レッドデータブック. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. 希少野生生物(レッドデータブック・・・). “埼玉県”. https://www.pref.saitama.lg.jp/a0508/red/.
  3. 絶滅危惧種の保護に向けて. “千葉県 環境生活部 自然保護課 生物多様性センター” http://www.bdcchiba.jp/endangered/endang_index.html.
  4. BirdLife International. 2019. Gallinula chloropus (amended version of 2016 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T62120190A155506651. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T62120190A155506651.en. Accessed on 19 May 2022.
  5. バン、成鳥と若鳥.(YouTube) https://www.youtube.com/watch?v=cR7aNoa0094.
  6. 水元公園で蓮の花が咲きました バンの親子. “散歩道”. https://ameblo.jp/ange-apple/entry-12606782541.html. (参照 2022-05-21).
  7. Tassy: バンの成長記録(雛から幼鳥へ) 2016.7.16~8.30. “野鳥のフリートーク(日本の野鳥識別図鑑)”. https://zukan.com/jbirds/question/3842, (参照 2023-07-03).
  8. . “”. , (参照 ).