オオイトトンボ Oo-itotonbo Lilysquatter
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スイレンに覆われた池をたくさんの水色のイトトンボが飛び回っていました.何枚か撮った写真はみなオオイトトンボのオスばかりでした.眼後紋が大きく,後頭条がある,腹部先端の水色の部分に黒い山型の欠けたエリアがある,これらがオオイトトンボです.
こちらは別個体.強い日差しで気温が高いところ,飛ぶスピードは非常に速いです.
基本情報
- 和名
- オオイトトンボ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 トンボ目 イトトンボ科 Cercion 属
- 英名
- (in Jpn.) Oo-itotonbo; a Species of Lilysquatters
- 学名
- Cercion sieboldii, syn. Paracercion sieboldii
- 状況
- 東京都レッドリスト(本土部)2020年版 東京都区部における区分:[CR] 絶滅危惧 IA 類,東京都本土部全体における区分:[CR] 絶滅危惧 IA 類 (参考1)
- 千葉県レッドリスト−動物編(2019年改訂版):[A] 最重要保護生物 (特に留意が必要な種:生息地の減少,環境の悪化)(参考2)
写真とメモ
草地で見つけた未成熟っぽいメス.種類の区別について,角度的に後頭条と眼後紋は見えませんが,胸部の黒い部分(肩縫線黒条)が太くて,その中に明るい色の部分がないのでオオイトトンボです.写真では黒線の中に淡色部があるように見えてますが,光があたって光っているだけです.
池のまわりにたくさん飛んでいたオオイトトンボ.オスメスつながったトンボも目につきました.一つがいが水面すれすれをゆっくり飛ぶのを見ていると,スイレンの葉が折り重なった影に入っていってとまりました.コンデジで狙ってみると,ちょうど産卵をはじめたところ.葉の下の暗いところなのでちょっとブレていますが,オオイトトンボのオスメスと確認.メスは腹部の大部分を水中に入れていて,どうやらスイレンの葉の裏側に産卵しているように見えます.
上の写真と同じ池で.この日は翅がまだ透明になっていない羽化したばかりと思われるイトトンボを何頭か見つけました.羽化したてのトンボはあまり飛び回らずにスイレンの葉に止まっています.体色はきれいな水色になる部分がまだ色があまりついておらず,灰色で一部が水色っぽくなっています.上の写真はオオイトトンボのオスと思われる個体.下の写真は,同じくメス.オスでは腹部の先端の水色の節が灰色.
オオイトトンボのオス.大きな水色の眼後紋とそれをつなぐように走る,同じく水色の後頭条.水色の部分が広くて派手めの印象のある種類.
オオイトトンボは久しぶりに見ました.池の畔の草むらで数頭が飛んでいましたが,どうやら園内でオオイトトンボが多い場所は決まっているようです.イトトンボの分布はほんとに局所的ですね.
水際を飛んでいたアオモンイトトンボよりも一回り大きくて太いイトトンボを種類が不明のまま撮影してきました.調べるとクロイトトンボ類のメスでした.このグループの種類のオスの区別は,眼後紋と後頭条,肩の黒線内の細線,腹部末端の山型の黒い紋などですが,メス,特に斜め下から見た写真での区別は条件の一部しか使えずに難しいです.胸部の黒線部分の様子からオオイトトンボのページに入れておきます.
※ この写真の下に3枚ほどあった写真を見直してみて,セスジイトトンボ,ムスジイトトンボの可能性が高いので移動しました.
オス.園内の池の周辺を,中ぐらいの大きさの水色のイトトンボが無数に飛んでいました.すべて同じ種類なのかわかりませんが,写真を撮れた個体は,オオイトトンボのオスのようです.水色が綺麗な種類です.
オス.種類を判断したサイト(参考3)によると,クロイトトンボ類にはよく似た種類がいて,また,他のサイトで公開されている水元公園のトンボの写真を見ると,水元公園にはこの属の他の種類も生息しているようです(このサイトで写真があるのは,これとセスジイトトンボ,ムスジイトトンボ,クロイトトンボ).上の写真では,オオイトトンボの特徴がはっきりわかりました.頭部の左右の目の後ろに,水滴型(洋ナシ型)の水色の大きな紋(眼後紋)があること,その紋をつなぐように横方向に線(後頭条)があること,胸部の肩に走る黒い線のなかに水色の淡色部がないこと,腹部先端の水色部分に山型の黒い部分があることなど.
参考
- レッドデータブック. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
- 絶滅危惧種の保護に向けて. “千葉県 環境生活部 自然保護課 生物多様性センター” http://www.bdcchiba.jp/endangered/endang_index.html.
- クロイトトンボ属の同定. “神戸のトンボ”. http://www.odonata.jp/03imago/Coenagrionidae/Paracercion/, (参照 2021-06-30).
- . “”. , (参照 ).
オオイトトンボとセスジイトトンボは似ていて同定するのに困難でした。
返信削除各節前縁に青色紋があり似ています。
しかし,オオイトトンボには腹部第8節に
V字形の黒紋があることに気づきました。
後頭条もあるので両者は区別がつきました。
コメントありがとうございます。ご指摘の2種類、よく似ていますね。こちらの公園では両方記録があるようですが、セスジイトトンボはまだ見つけていません。区別は、その場で写真を撮れば肩のところのスジの有無がわかりやすいと思っていますので、腹部第8節のV字型の黒紋について、自分は同定に使ったことがありませんでした。後頭条はこの2種類はどちらもあるようです。
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