基本情報

和名
ヤニタケ(広葉樹型)
分類
菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 タマチョレイタケ目 ツガサルノコシカケ科 ヤニタケ属 (Ischnoderma)
英名
Resinous Polypore
学名
Ischnoderma resinosum
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

ウッドチップ置き場の横には樹勢の弱った広葉樹(たぶんイヌシデの木)の木があり,数年前から次第に立ち枯れになってきていました.樹皮にはいろいろな菌類が増えていましたので,内部でも菌類が繁殖していたのでしょう.最近この木がついに倒れてしまい,完全に枯れてしまいました.この木の幹に立派なサルノコシカケ状の硬質菌が生えているのを見つけたのが上の写真です.半円形のカサを持つ側着生のキノコで,写真では大きいものは直径7,8cmほど,上下に重なるように生えています.

このキノコの種類は,参考2の「ヤニタケ(広葉樹型)」の写真とそっくりで,ヤニタケと判断しました.この図鑑ではヤニタケが,ヤニタケ(広葉樹型) Ischnoderma resinosumとヤニタケ(針葉樹型) Ischnoderma benzoinum とに説明が分かれています.これらはかつては同種とされていたため,現在も和名が1つしかない種類のようです.ヤニタケ(広葉樹型)もヤニタケ(針葉樹型)も,北米やヨーロッパから日本まで北米など北半球に広く分布する褐色腐朽菌.2種類は同じヤニタケ属に分類される近縁種で,生える木の種類が違うだけでなく,キノコの見かけ,カサの厚みとかカサの表面の波打ち方などももちょっと違うようです.今回のは見かけも生えている木も広葉樹型です.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

カサの上面は印象的な赤褐色~暗紫色でビロード状,縁の部分だけは黄色です.環紋はあるのかもしれませんが目立ちません.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

下から撮影してみると,カサが非常に厚みがあるのがわかりました.もともと背着生なのが成長にともなって一部が盛り上がってカサになっている半背着生のようです.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

カサの裏面は褐色系で縁だけ黄色,管孔がびっしり.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

カサの裏の拡大.管孔がふさがるように覆われているので管孔のサイズ感がわからない.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

厚みのあるカサを半分に割ってみたところ.写真上のオレンジ色っぽい同心円状の紋があるのがカサの肉の断面です.木質で繊維状.同心円状の紋は成長線でしょうか.その下に管孔の断面.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり

同じ木の幹の反対側を見たらそちらにも同じキノコがありました.ただしこちらはカサが半円形ではなく,横に長く棚状に広がっています.サイズはかなり大きく,15cmほど.

園内の林,2022年10月9日午前,くもり



参考

  1. Ischnoderma resinosum (Schrad.) P.Karst. in GBIF Secretariat (2021). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/2543487 on 2022-11-29.
  2. 今関 他 編著:山渓カラー名鑑 日本のきのこ 増補改訂新版.山と渓谷社,2011. https://amzn.to/3Uo65ZM.
  3. Kuo, M. (2019, December). Ischnoderma resinosum. Retrieved from the MushroomExpert.Com Web site: https://www.mushroomexpert.com/ischnoderma_resinosum.html.
  4. . “”. , (参照 ).