セリバヒエンソウ Chervil Larkspur
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春の林床でたくさん咲いているきれいな青紫色の花.林の道を散歩するとたくさん見えることができました.形が印象的なきれいな花で,中国原産の外来種.日本では関東中心に分布というところが,園芸用に人為的に持ち込まれて逸出して野生化したのを想像させます.
横から見ると長く伸びた距が印象的な花です.直射日光があたっていないと,花色の青みが際立ちます.
基本情報
- 和名
- セリバヒエンソウ
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 キンポウゲ目 キンポウゲ科 ヒエンソウ属 (Delphinium)
- 英名
- Chervil Larkspur
- 学名
- Delphinium anthriscifolium Hance
- 状況
写真とメモ
林内の道を歩いてるとき,道端に咲いていた花に日があたり明るく照らされていました.林内で4月から咲いていたセリバヒエンソウの花です.紫色の色調が花びらの場所によって違い趣があります.遠くから見ると地味なのですが写真に撮ると素敵な形です.
花の正面から.外側の5枚はすべてガクで,本来の花びらは中央にあって両側から花の内部を塞いでいるように見える2枚,上のは花びら上に変化した雄しべとのこと.
花が早く終わったところは実がもう大きくなっています.3つに分かれたさや状の中に丸い種が入っているのがわかります.熟する時期が来るとこれが弾けて種が飛び出すとのこと.
草地に群生していた独特な形をしたきれいな花.調べてみると, 中国原産で, 日本では特に関東中心に帰化している侵略的ではない外来種で, セリバヒエンソウという花でした(参考1).キンポウゲ目キンポウゲ科ですが, 花の形はキンポウゲ科のキツネノボタンとかフクジュソウなどよりも, 同じキンポウゲ目であるケシ科のムラサキケマンなどにちょっと似ているようにも見えます.花の後ろの方にツノのように突き出した花弁は距(きょ)というそうです.飛燕草はこの花の形をツバメに見立てた名前で, 英語名の Larkspur はやはり鳥の「ヒバリの拍車」の意味のようです.
Delphinium 属は日本に自生する種類はありませんが, ユーラシア大陸の山地を中心に300種類を含む大きなグループで, 何種類かの交配で作られた園芸種がデルフィニウムという名前で流通しています.デルフィニウムは, この花と同じような形の花が縦にたくさん連なる長い花穂をもっています.
Delphinium 属の一部の種類を Consolida 属として分けることもあったようですが, 2013年に報告された論文で遺伝子レベルで類縁関係を調べた結果, Delphinium 属とConsolida 属をもし分けるとすると, 残ったDelphinium 属をさらに2つ以上のグループに分けないと区分けがおかしくなる(=Consolida 属だけを別のグループにする理由がない)ことがわかり, 現在はまた1つのDelphinium 属にまとめられているそうです(参考4).
花を正面から拡大したところ.花被は5枚.
「セリ葉」の由来の葉の様子.
参考
- Delphinium anthriscifolium Hance in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/3923581 on 2024-04-27.
- 野草図鑑(セリバヒエンソウ).“樹げむのTreeWorld”. http://www.jugemusha.com/yasou-zz-seribahiensou.htm, (参照 2022-06-24).
- セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草). “多摩の緑爺の「多摩丘陵の植物と里山の研究室」”. http://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/sueozep/seribahiensou.html, (参照 2022-06-24).
- Delphinium. Wikipedia, The Free Encyclopedia. April 5, 2022, 21:03 UTC. Available at: https://en.wikipedia.org/wiki/Delphinium Accessed June 24, 2022.
- . “”. , (参照 ).
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