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園内の疎林,2024年4月14日朝,晴れ

タチヤナギの木に花穂が付いていたので撮影してきました.

園内の疎林,2024年4月14日朝,晴れ

ヤナギ類は雌雄異株で,参考3によるとこの花は雄株の雄花です.黄色いのは雄しべの葯ですね.以前撮影した,綿毛が飛んでいた雌株の隣の木です.

園内の疎林,2024年4月14日朝,晴れ

木には,若葉と花が同じ明るい黄緑色です.

園内の疎林,2024年4月14日朝,晴れ



基本情報

和名
タチヤナギ
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 キントラノオ目 ヤナギ科 ヤナギ属 (Salix)
英名
Almond Willow, Black Maul Willow
学名
Salix triandra L.
状況
IUCN レッドリスト 2023-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend stable(個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

中央通り沿い,2022年5月3日朝,晴れ

通り沿いの細い水路の際に列をなして立っているヤナギの木.ここのヤナギは毎年春に盛大に綿毛を飛ばし,この付近をふわふわ綿毛だらけにします.このときはまだ綿毛の時期ではなく,未熟な実は黄緑色でしたが,この1週間後に行ったときに綿毛がたくさん飛んでいました.さて,水産試験場跡地にも同じヤナギが生えていて,以前そちらの写真を撮ったのですが,撮ってきた写真で種類を区別しようとして葉の形などの特徴でピッタリの種類がなく難渋し,自信がないなあと思いながらマルバヤナギと仮同定しました.ここの木も同じ特徴を持っているので,おそらく同じ種類と思っています.その後,6月中旬になってこのヤナギのところに来たとき,ふと種類を示したプレートがつけられているのに気づきました.プレート曰く「タチヤナギ」! ということで,以前のマルバヤナギの同定は取り下げ,タチヤナギに訂正してみました.

中央通り沿い,2022年5月3日朝,晴れ

5月の連休の日.まだ実は若葉と同じ黄緑色です.ヤナギ類の検索表(参考4)には,葉の形でグループ分けする方法が紹介されていました.「葉は狭楕円形または披針形」つまり非常に細いか,「葉は広い楕円形」つまり細長くないか,を参考に分けるやりかたです.このヤナギの葉は「細くはない」と思っていました.検索表ではタチヤナギは前者の細長い葉のグループ,一方のマルバヤナギの葉は,全体が丸いが先端だけが尖ったなので後者に含まれています.この葉が細長い方に入るということは,タチヤナギの葉の形はかなりバリエーションが大きいのでしょうか….

中央通り沿い,2022年5月3日朝,晴れ

葉裏には目立った毛はなく,葉表よりもやや白い色.


中央通り沿い,2022年6月19日朝,晴れ

タチヤナギのプレートを見つけた日もまた写真を撮ってきました.葉の形は若葉のころと同じですね.マルバヤナギの葉には葉柄の葉表側に,1対の腺体が付くことが多いと参考4にありましたが,確かにそういうのはありません.

中央通り沿い,2022年6月19日朝,晴れ

こちらは葉裏.葉裏はタチヤナギもマルバヤナギも白っぽく無毛です.


一面の綿毛

以前マルバヤナギとしていた木がこちら.

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

林内の地面に白い綿毛のようなものが積もっていて、そよ風で少しずつ移動しながら草に引っかかったりしながら、吹き溜まりへと次第に集まっていてくるようです。綿毛が積もっていた範囲は半径10mほどでしょうか。ちょうどその上にある木を見上げてみました。

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

小さな実が房になってたくさんついていて、一部はまだ緑色ですが、茶色くなったところから実がはじけて綿毛がまさに出始めているところでした。

実から綿毛をまきちらす種類はいろいろあるようですが、ヤナギ類の綿毛について参考3に「柳絮(りゅうじょ)」という言葉が紹介されていました。

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

はじけた実と葉の拡大。葉は先が尖った卵形で細かい鋸歯がびっしり。タチヤナギの花は4月に咲き,5月に実が弾けて綿毛が飛びます.マルバヤナギは、東京付近では花の時期は4~5月上旬、実がはじけるのが6月上旬ということで時期はタチヤナギです.

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

まだ緑色の実がついている果穂。雌雄別株の種類なので雌株です。

葉の形は参考2と同じように見えるのですが,難しいですね.

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

樹木の遠景。近接して2,3本が立っています。横の方に広く枝を伸ばしていて、低いところまで葉が茂っています。

園内の疎林、2019年5月12日午前、晴れ

樹皮の様子。上下に裂け目がのびていて、ところどころ白くなっているのは地衣類でしょうか.


園内の疎林,2022年6月19日朝,晴れ

こちらが今回確認のために撮影した,以前と同じ木の葉です.以前の撮影時よりも,そして中通りの水路脇の木よりもこころなしか葉が長いですね.やはり柳の葉の形はバリエーションが大きいのでしょうか.葉柄にはこちらも1対の腺体なし.

園内の疎林,2022年6月19日朝,晴れ

葉裏は同じ.



参考

  1. Barstow, M. & Rivers, M.C. 2018. Salix triandra. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T61960615A61960635. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-1.RLTS.T61960615A61960635.en. Accessed on 28 June 2022.
  2. 柳絮に誘われて. “虫散歩”. http://musisanpo.musikoi.main.jp/?eid=887966, (参照 2024-04-27).
  3. タチヤナギ. “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/tatiyanagi.html, (参照 2024-04-27).
  4. ヤナギ属の検索表. “葉と枝による樹木検索図鑑-類似種の見分け方 他”. https://elm3.web.fc2.com/top/ruijisyu-miwakekata-hoka/yanagizoku-kensakuhyou.html, (参照 2024-04-27).
  5. . “”. , (参照 ).