ツマグロヒョウモン Indian Fritillary
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サイクリングコース沿いの花壇のキバナコスモスにたくさんのチョウが来ていましたが,数頭のツマグロヒョウモンも.翅が新鮮なメス.
基本情報
- 和名
- ツマグロヒョウモン
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (チョウ類) アゲハチョウ上科 タテハチョウ科 ドクチョウ亜科 ツマグロヒョウモン属 (Argyreus)
- 英名
- Indian Fritillary
- 学名
- Argyreus hyperbius (Linnaeus, 1763)
- 状況
写真とメモ
イネ科で覆われた草地で,ぶら下がるようにとまったツマグロヒョウモン.止まり方の雰囲気はおそらく羽化したて翅が固まるのを待っている時期なのでは.自分がツマグロヒョウモンの春に見た早い記録です.ツマグロヒョウモンは多化性で,主として中齢幼虫で越冬するとありました.越冬した幼虫は春にスミレ類,おそらくアメリカスミレサイシンを食べて成長を続けてこの時期に最初の成虫になるものと思います.
セイタカアワダチソウの花に来ていたツマグロヒョウモンのオス.
そういえば園内で見たことのあるヒョウモンチョウはこの1種類だけです.他のヒョウモン類はどちらかというと寒い地方に多いイメージですが,ミドリヒョウモンとかメスグロヒョウモンあたりならかつては分布していたのでしょうか.
草地の黄色い花(種類はわかりません)に吸蜜に来ていたチョウは,ツマグロヒョウモンのメスです.メスのツマグロヒョウモンの前翅の黒い部分が,光の加減で明るいブルーに光っています.
丈の低い草地にヒョウモンチョウが何頭もヒラヒラとゆっくり飛んだり止まったりしていました.前翅の前半部が黒っぽいので,すぐ区別できるツマグロヒョウモンのメスは,公園内では初観察でした.あまり周りを警戒していないのか,近づくのも簡単で写真も撮れました.このあたりには幼虫の食草であるアメリカスミレサイシンがたくさん生えているので,そこに産卵中のようです.
※ タチツボスミレだと思っていましたが,アメリカスミレサイシンという外来種と判明しました.
アメリカスミレサイシンの葉に腹部を押し付けているところ.
こちらも産卵中です.
ツマグロヒョウモンのメスの前翅は,ふつうのヒョウモンチョウ類の「黄色地に黒斑」の翅と,イチモンジチョウかゴマダラチョウのような黒いタテハチョウ類の翅「黒地の白斑」の翅がツギハギされたような特徴的な翅です.これらのグループが分類的に近い種類でもあることを考えると,翅の特徴を決める遺伝子の基本的なところはよく似ていながら,ちょっとした調節が変わると相互に変化しうるような模様なのかもしれません.ツマグロヒョウモンのメスでは,その変化が1枚の翅の中に表れていることでこういうキメラのような翅になるのかなと.別種でメスグロヒョウモンという種類は,オスはメスは「黄色地に黒斑」なのに,メスは「黒地の白斑」という例もありますね.
イボタノキの花には虫がたくさん集まるので狙っていましたが,今年は花盛りの期間が週末にかからず,見られませんでした.終わりかけたイボタノキの花に来ていたツマグロヒョウモン,オス.
ツマグロヒョウモンのオス.以前の写真よりもピントがあっているかも.後翅外縁の黒い部分の色合いが,メスの翅の黒い部分と雰囲気が似ています.そういえば,ツマグロヒョウモンのメスの写真をまだ撮れていません!
ツマグロヒョウモンのオスです.上の個体は,右側の翅はほぼ無傷ですが,一方,左は前翅の縁が欠け,後翅はスレるように穴が開いているのがわかります.翅がボロになってくる時期ではあるのですが,左翅だけにダメージを受けるような何かがあったのでしょう.下の写真は上のと同じ個体ですが無傷の方の右翅の裏面.
草地で,ツマグロヒョウモンのオスの新成虫が数頭飛んでいました.前翅の一部が黒いメスの羽化はもっと後なのでしょうか,オスばかりです.
ツマグロヒョウモンは南方系の種類ですがどんどん分布を北に広げているようで,今はこのあたりの市街地でもよくみるヒョウモンチョウです.幼虫はスミレ類を食べます.
これはツマグロヒョウモンのオス.「ツマグロ」の名前の由来になっている,前翅が半分黒いのはメス.翅がボロですが最初の写真なので記念に.
参考
- 広畑:兵庫県におけるツマグロヒョウモンの越冬生態.(PDF) ひろおび No. 4: 21-22, 1979. https://www.konchukan.net/pdf/hiroobi/Vol4/hiroobi_4_21-22.pdf.
- . “”. , (参照 ).
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