スジウチワタケモドキ Suji-Uchiwatake-modoki Honeycomb Fungus
基本情報
- 和名
- スジウチワタケ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 タマチョレイタケ目 タマチョレイタケ科 ハチノスタケ属 (Favolus)
- 英名
- (in Jpn.) Suji-Uchiwatake-modoki; A Species of Honeycomb Fungus
- 学名
- Favolus acervatus
- 状況
写真とメモ
最新の写真
林内に落ちていた枯れ枝に生えていた硬質菌.腎型のカサはすり鉢状に中央が凹み,短い柄がついています.かさには環状紋はありますが,表面全体がかなり白っぽく,輪郭は平滑です.放射状の繊維紋があります.前回これと雰囲気の似たキノコをツヤウチワタケ(暫定)としましたが,“山渓カラー図鑑”に掲載されていない種類でもっと近そうなのを見つけたので種名を変更しました.それがスジウチワタケモドキです.参考1によると,日本以外ではアジア~オーストラリアまで分布.参考2の写真が前回と今回見つけたのと似ているようです.
ツヤウチワタケのカサは本当に薄いようなのですが,この種類はそれよりは管孔部分にかなりの厚みを感じます.
スジウチワタケとスジウチワタケモドキというよく似た種類があって,顕微鏡を使わないと厳密な区別ができないようです.スジウチワタケは南方系で亜熱帯を中心に世界に広く分布する種類で,一方のスジウチワタケモドキは日本からオーストラリアまで分布する種類なので,関東ではスジウチワタケモドキのほうが可能性が高そうです.これら2種類が同じ種類として扱われることもあるといくつかのサイトに書かれていたのですが,2015年の論文(参考4)では別種扱いとなっていて,現在の国際的なデータベースでも別種扱いのようでした.
カサの表面の拡大.色はかなり白っぽく,放射状に繊維が走ります.
管孔は小さく規則的.
カサの断面の様子.カサよりも管孔部分の方が厚いです.
林内の朽木から生えていた硬質菌です.カサの表面は毛がなく濡れてツヤがあり,全体が白いのですが環紋と放射状の繊維が見えます.種類の判定が難しく,はじめはツヤウチワタケとしましたが,カサが厚いこと,カサの縁が整っていたことなどから,スジウチワタケモドキに変更です.
柄はあり,偏心性.ヒダの下面と柄はともに白く,管孔にびっしり覆われています.表面がでこぼこしていて,手触りはごつごつと硬いです.このキノコの感想を一口で言うと,柄にまで管孔があるのがこんなに気持ち悪いとは思いませんでした.
数cmの長さの柄は一番下まで管孔があります.見た目溶けたり表面を何かに覆われているわけではないですが,カサの厚さや管孔の盛り上がり方などがかなり不規則な印象です.
参考
- Favolus acervatus (Lloyd) Sotome & T.Hatt. in GBIF Secretariat (2021). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/7361346 on 2022-10-03.
- スジウチワタケモドキ. “東京きのこ同好会”. (参照 2022-10-03) http://www.tokyokinoko.com/zukan/su/sujiutiwatakemodoki.htm.
- スジウチワタケ. “三十九さんの部屋”. (参照 2022-10-03) https://ameblo.jp/sanjukyu/entry-12509047417.html.
- 早乙女:Polyporus属とその関連属の分子系統分類学的研究. 日本菌学会会報 56(2), 69-81, 2015. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010900879.pdf.
- . “”. (参照 ) .
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