基本情報

和名
ヒロクチゴケ
分類
(シダ・コケ) マゴケ植物門 マゴケ綱 ヒョウタンゴケ亜綱 ヒョウタンゴケ目 ヒョウタンゴケ科 ツリガネゴケ属 (Physcomitrium)
英名
Norfolk Bladder-moss
学名
Physcomitrium eurystomum Sendtn.
状況
IUCN レッドリスト (2024-1):[VU] Vulnerable B2b(ii,iii)c(iii,iv) (危急) ver 3.1, Pop. trend decreasing (個体数減少傾向),Scope of Assessment: Europe(調査対象:ヨーロッパ) (参考1)

写真とメモ

水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

土の露出した地面に,きれいな緑色のコケが生えていました.拡大して観察すると,先端に丸い朔のついた胞子体がびっしり付いていて,それも含めて全体が鮮やかな緑色です.種類を調べると,ヒロクチゴケという休耕田や畑地,湿った地面に生える種類でした.春に成熟するコケとのことでちょうどその時期にあたったものと思います.

水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

胞子体の拡大.丸い球状の朔の上にとがったところがあります.成熟すると球形のフタ(上半分)が取れて,カップ状になるとのこと.

近縁種によく似た朔をつくるアゼゴケ,コツリガネゴケという種類があり,どれも同じような場所に生えますが,朔の時期はアゼゴケは秋,ヒロクチゴケとコツリガネゴケは春,朔の柄の長さはアゼゴケが最も短く2~3mm,ヒロクチゴケは4~8mm,コツリガネゴケは8~15mmとのこと(参考2).

水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

こちらはまだ朔がふくらんでいない,できかけの胞子体でしょうか.

水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

胞子体の根元の葉は,透明感のある緑色で,先端が鋭くとがっています.

水産試験場跡地,2022年4月17日午前,くもり

水産試験場跡地の復元池は,池の護岸と周辺の遊歩道が昨年リニューアルされました.それ以来,池の遊歩道はずっと土の地面が露出していました.その地面を覆うようにこのコケが広がっています.



参考

  1. Hodgetts, N., Lockhart, N., Lönnell, N., Rothero, G., Schröck, C., Untereiner, A. & Vanderpoorten, A. 2019. Physcomitrium eurystomum. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T85841752A87795278. https://www.iucnredlist.org/species/85841752/87795278 Accessed on 17 May 2022.
  2. ヒロクチゴケ. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/koke/hirokutigoke.htm, (参照 2024-08-16).
  3. ヒロクチゴケ. “西宮の湿性・水生植物”. http://plants.minibird.jp/hydrophytes/plants/shissei/ha_gyou/hirokutiGoke/hirokutiGoke.html, (参照 2024-08-16) .
  4. ヒロクチゴケ. “苔図鑑(モス・プラン)”. http://mossplan.co.jp/zukan/hirokuti.htm, (参照 2024-08-16).
  5. . “”. , (参照 ).