基本情報

和名
マクラギヤスデ
分類
節足動物門 ヤスデ綱 オビヤスデ目 シロハダヤスデ科 マクラギヤスデ属 (Niponia)
英名
(in Jpn.) Makuragi-yasude; A Species of Flat-backed Millipede
学名
Niponia nodulosa
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の林床,2022年4月24日午前,くもり

春になったので林床の虫とかキノコとか粘菌とか出てないかなと,森の道端の倒木を見て回りました.はじめてみるムシを発見.ムカデ,ヤスデのように節のたくさんある多足類なのですが,節は幅広・扁平で角ばっていてツヤがありません.表面には小さな突起が配列していて,そこに毛が生えている様子.全体としてムカデ型の装甲車とでもいうような重厚感です.節のすき間からたくさんの白い足は見えていますが,ムカデのように体の横からははみ出していません.

園内の林床,2022年4月24日午前,くもり

長さは2cmぐらい.上の写真はひっくり返してみたところです.ヤスデと同じく,1節について足が2対ずつあります.動きはゆっくりしていますが,足を動かして体をひねって起きようとしているところです.

帰って調べたら,この平べったい体をもつのはシロハダヤスデ類というグループで,体が長くて褐色なのは関東以西には普通種のマクラギヤスデという種類でした.確かにまくら木を並べたような体です.マクラギヤスデ以外のシロハダヤスデ科(シロハダヤスデ属)との区別は,腹面の体の前から3分の1ほどのところにある生殖孔にある生殖肢の形で,マクラギヤスデの生殖肢が野球のグローブのような形なのに対し,シロハダヤスデ属の生殖肢は細長くて枝分かれがあるとのこと(参考1).白矢印が生殖肢です.

園内の林床,2022年4月24日午前,くもり

横から見たところ.

園内の林床,2022年4月24日午前,くもり

成体のサイズは長さ3cmとのことなので,2cmのこの個体はまだ幼体だと思うのですが,近くに長さ5mmほどのもっと小さな幼体がいました.小さい幼体は明るい色をしています.

園内の林床,2022年4月24日午前,くもり

別の倒木で見つけた中間的なサイズの幼体.こちらは1cmちょっとぐらいです.一番大きいのよりも色は明るいです.マクラギヤスデは成体になるまで3,4年かかるそうなので,同じ時期に数段階の違う大きさの個体が混在しています.



参考

  1. 桒原良輔:マクラギヤスデ概説.豊田ホタルの里ミュージアム研究報告書. 14:57-68, 2022. https://www.city.shimonoseki.lg.jp/uploaded/attachment/54178.pdf.
  2. マクラギヤスデ. “東京23区内の虫 2”. (参照 2022-05-28) http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-827.html.
  3. マクラギヤスデ. “虫navi”. (参照 2022-05-28) https://mushinavi.com/navi-insect/data-obiyasude_makuragi.htm.
  4. . “”. (参照 ) .