基本情報

和名
ソウギョ
分類
条鰭綱 コイ目 コイ科 ソウギョ(Ctenopharyngodon) 属
英名
Grass Carp, White Amur
学名
Ctenopharyngodon idella
状況
外来生物法生態系被害防止外来種 (国外由来の外来種 > 総合対策外来種 > その他の総合対策外来種) (参考1)
IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種侵略的外来種(日本を含むアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北中南米、オーストラリア他)、原産(中国、ロシア、ブルガリア) (参考2)

写真とメモ

小合溜、2019年5月26日朝、晴れ

小合溜沿いを歩いていて、岸からせいぜい10mぐらいのところに、水面から大きな魚の背中が見えました。一瞬見えただけではありません。水面からは背ビレと背中、尾ビレなどが断続的に見え隠れしていて、どうやら魚は半径1,2mぐらいの円を描きながら、水面付近をぐるぐる回っていることがわかりました。全身が見えたわけではないのですが、おそらく魚の全長は70cmあるいはそれ以上なのではと思えました。水面から見えたのは1頭だけに感じましたが、その場にもう1頭あるいはそれ以上いたのかどうか不明です。

さて、見えたのがどういう魚なのかについて、上の写真と下の写真から想像してみました。上の写真からわかることは、背びれが短い三角形をしていること。これは水元公園にたくさんいるコイライギョの背ビレが、尾の方にまで長くつながっているのとは全く違います。70cm以上になる魚で、背びれが三角形なのは、ハクレン、コクレン、ソウギョ、アオウオなどが挙げられます。次に背中のウロコに注目します。下の写真で見えるウロコは、1枚1枚がかなり大きく、おそらく同じ体長のコイのウロコと同じぐらいの立派なウロコです。一方、ハクレン、コクレンのウロコはコイのウロコとは全く違って、極めて小さいウロコです。そこで、残される可能性はソウギョかアオウオ。ソウギョのウロコは、明るい茶色っぽくて、1枚1枚の輪郭に黒っぽい縁取りがあるそうですが、アオウオは体全体が黒っぽい、ということで、もっとも可能性が高いのはソウギョという結論に達しました。

自分は小合溜でソウギョを見つけたことはありませんし、ネット検索しても小合溜でソウギョやアオウオを釣った or 捕まえた、という最近のネット記事、ブログなどを見たことはありません。かつては、ソウギョが多かった、という昔の思い出話は目にします。また、内溜にある看板には、ここに住んでいる魚としてソウギョが書かれています。今もまだきっと住んでいるんだろうなあ、という想像をかき立てる写真ではあります。

小合溜、2019年5月26日朝、晴れ

ウロコの大きさがわかる、背中の様子。

大きな魚が水面付近の同じ場所をぐるぐる回るという行動について、ネットで調べてみると、どうやらハクレン、コクレン、ソウギョ、アオウオなどに見られる行動で、オスが産卵するメスのまわりを回る性質があるようです(が情報が少なくはっきりしません)。これらの魚は、コイのように卵を水草に産み付けるのではなく、水中にパラパラと卵をばらまき、卵は川の水流に乗って流れながら孵化、成長します。川が短くて稚魚が泳ぎ始める前に海に着いてしまうと死んでしまうことから、川が長くて、上流に産卵に適した場所がある利根川水系でしか、日本で定着しなかったそうです。一方、水流が全くないところでばらまかれた卵は、水流に乗らずに底に沈んでしまい、これもまた成長できないとのこと。ということは、ほぼ流れのない水元公園の小合溜でもこれらの魚は成長できないことになり、今生息している魚は、かつて大場川と小合溜がつながってしまったときなどに入ってきた魚や放流された魚が住んでいるだけ。これらの魚の寿命が来たらいなくなってしまうんですね。

小合溜、2019年5月26日朝、晴れ

こちらは尾びれ。

ソウギョの食べ物は植物性が強く、水草や水際に生える草木の葉なども食べるようです。小合溜のソウギョもぜひ釣ってみたいものです。



参考

  1. 生態系被害防止外来種リスト - 『外来生物法(環境省 自然環境局)』 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html
  2. Global Invasive Species Database (2019) Species profile: Ctenopharyngodon idella. Downloaded from http://www.iucngisd.org/gisd/speciesname/Ctenopharyngodon+idella on 15-06-2019.
  3. ソウギョ (2019年1月13日 14:10 UTC)-『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%82%AE%E3%83%A7
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