タコノアシ Chinese Penthorum
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タコノアシという名前の由来のような,本当にゆでダコのように赤くなった実を見たことがなく,いつか見られたらと思っていましたが,これまでで最も赤くなったのを発見しました.葉はすでに黄色くなっており,茎が少し倒れていましたが,実が真っ赤です.
拡大すると,赤というよりも鮮紅色(マゼンタ=紫がかった濃いピンク)ですね.全体が赤いというよりも,実が赤く縁どられている感じです.
このぐらい赤いとタコノアシという名前も納得です.条件に恵まれないとここまで赤くならないのかもしれません.
基本情報
- 和名
- タコノアシ
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 ユキノシタ目 タコノアシ科 タコノアシ属 (Penthorum)
- 英名
- Chinese Penthorum
- 学名
- Penthorum chinense
- 状況
- 環境省レッドリスト2020:[NT] 準絶滅危惧 (参考1)
- 東京都レッドリスト(本土部)2020年版 東京都区部における区分: [VU] 絶滅危惧 II 類,東京都本土部全体における区分:[NT] 準絶滅危惧 (参考2)
- 埼玉県レッドデータブック2011 植物編 [VU] 絶滅危惧 II 類 加須・中川低地における分布状況:○ (参考3)
写真とメモ
きれいな赤色になるというタコノアシ.これまででいちばん赤いかもしれないと撮ってきました.写真では,目で見た印象よりも薄い色でしたがきれいな色でした.
ひとつの花穂の中でも,きれいなピンクの部分と枯れて茶色っぽくなった部分が混在しています.ということは,このピンク色はもっと赤くなることなくこのまま枯れていくのでしょうか.
水生植物園の近くの休耕田のようなところに,枯れたタコノアシで覆われていました.
枯れたタコノアシの色は,濃赤褐色というのでしょうか,赤みが強い濃い茶色で存在感が強い色です.
真っ赤に色づいたタコノアシが見たいと今年も来てみましたが,今年も時期がピッタリ合わなかったようです.この日のタコノアシの穂はちょうど淡いピンクになっているところでした.タコの足っぽい色合いではないのですが,この色も透明感があっていい色ですね.
拡大.実の端の方が色は濃いので,このあと濃い赤になっていきそう.
茎は茶色っぽくなっていますが,葉は黄色で周囲からオレンジ色になりかかっている時期.
タコノアシの紅葉は真っ赤になってきれいとのことなのですが,今回は,葉は黄色になっていますが,実の色がまだ半分緑色がかっています.実も葉ももう少し立つともっとオレンジ色になりそうです.
水生植物園の菖蒲田の一角で.周囲はまだ緑色が広がっているのですが,そこだけ茶色く枯れている草ばかりが生えているエリアがありました.その一帯に生えていたのはタコノアシ.そのタコノアシの花茎と実です.もう少し時期が早いと,茶色く枯れる前に鮮やかなオレンジ色になる紅葉がみられたはず,と残念.来年は見たいです.
保全池周辺をを回って花の咲いている植物を見ていたらタコノアシの花を発見.以前撮影したタコノアシの写真が,風か手ブレか微妙にブレていたのでまたじっくり撮影してみました.花穂の先の方で雄しべがのびて花が咲いています.
白い花びらが1枚だけついているのを見つけました.タコノアシの情報を見ていると,ふつう花弁はないとされていますが,参考8には1,2枚の花弁がある場合もあることが書いてありました.
前の年に実のなったタコノアシが枯れているところ.春の水辺の若草色の風景の中でよく目立ちます.
水元公園のタコノアシは,最初に見たのは保全池に植えられた株だったのですが,その後あちこちに自生しているのを見つけました.環境省のレッドリストに掲載された絶滅危惧種ですが園内ではまだしばらくの間は安泰のようです.
拡大.種が飛び出たあとの殻だと思いますが,綺麗に並んでいました.背景に見えるのはショウブの葉.
白い目立たない花が咲いていた背の高い草には,「タコノアシ」という名札が付いていました.花がずらっと並んでいますが,白くみえるのは先の方だけで,下の方はもう花が終わっているようです.白い色はおしべとめしべの色のようで(参考4),花びらはなさそうです.
タコノアシという名前は,花の1つ1つをタコの吸盤に見立てて,花の咲いた枝全体がタコの足のように見えるからとのこと(参考5).タコがつく生物の名前といえば,ウニの仲間のタコノマクラ(参考6),気根が出るところがタコっぽいタコノキ(参考7)などもありますね.
ここの草は緑色ですが,あちこちのサイトの説明に載っている写真は全体がオレンジ色に見えます.「秋になると全身が真っ赤に紅葉するので,まさに「茹(ゆ)で蛸」状態となり,見応え十分です.」だそうです(参考4).また来てみましょう!
環境省の絶滅危惧種で,東京都,埼玉県でも指定されているのですが(参考1~3).参考4のサイトの説明によると,生息環境が似ているセイタカアワダチソウに負けて数を減らしているといわれているようです.
参考
- レッドデータブック・レッドリスト. “生物情報 収集・提供システム いきものログ” (環境省生物多様性センター). https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist.
- レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
- 埼玉県レッドデータブックについて. “埼玉県生物多様性センター”. https://saitama-biodiversity-center-cessgis.hub.arcgis.com/pages/saitamardb.
- タコノアシ.“ビオ・荒川さいたま(さいたま市の荒川堤と水田の花)”. https://arakawasaitama.com/hanaindex/subtakonoashi.html, (参照 2023-10-11).
- “タコノアシ”. ウィキペディア日本語版. 2020-07-07. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%82%B7, (参照 2020-11-14).
- タコノマクラ.“ダイバーのための海水魚図鑑”. http://www.sea-fishes.com/seafishes/takonomakura.html, (参照 2023-10-11).
- タコノキ.“ヤサシイエンゲイ”. http://yasashi.info/ta_00005.htm, (参照 2023-10-11).
- タコノアシ.“気ままに自然観察 ー草の花 マイ図鑑ー”. http://midori.eco.coocan.jp/kimama/kusa/takonoasi.html, (参照 2023-10-11).
- . “”. , (参照 ).
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