カニノツメ Column Stinkhorn
基本情報
- 和名
- カニノツメ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 スッポンタケ目 スッポンタケ科 Laternea 属
- 英名
- Column Stinkhorn
- 学名
- Laternea columnata, syn. Linderia bicolumnata, Clathrus bicolumnatus
- 状況
写真とメモ
年末になり,ウッドチップ地帯のカニノツメはもう生えていませんでしたが,かろうじて幼菌を発見.気温が下がっていますが,まだ発生が続いているのですね.
殻皮が開いていない卵型のもありました.
湿った天気が続いて秋の発生ピークはまだ継続中.
幼菌がたくさん育ちつつあるところ.
ウッドチップエリアの周辺部に沿って,線状に生えています.
前回10月にカニノツメが出始めていた場所で1ヶ月半ほど経って発生のピークになっているのを発見.
ここでは直径1, 2mぐらいの範囲に菌糸が広がっていてそこからたくさん生えていました.この時期(2022年11月中旬)の東京の気温を確認すると,平均気温が14度,最高19度,最低11度前後とのことで,ちょうど前年秋のカニノツメ発生ピークの時と同じぐらいの気温でした.面白いものですね.
幼菌と地面に広がる菌糸.
以前見つけたのとは別の林で発見.こちらの場所もウッドチップ地帯です.時期は1ヶ月早いです.2022年10月上旬の気温は平均19度,最高気温と最低気温の平均は23度と16度ということで2021年5月下旬と同じぐらい.これからカニノツメの発生シーズンだと思われます.周りに見える白い菌糸もおそらくカニノツメの菌糸です.
去年の11月にカニノツメを見つけた林を,この春も散歩コースに入れていました.秋に生えたキノコが春にも生えるかも…と思っていたので.この日は雨の後のキノコ大発生の日でしたが,期待通り,カニノツメが生えているのを見つけました.この種類は温度と湿度が適正となる春にも秋にも生えるキノコなんですね.カニノツメを見つけたときは,昨年の秋も今年の春もちょうど雨が続いたあとで湿度が高くなったタイミングでしたが,温度はどうだったのか調べてみました.気象庁のデータによると,今年5月下旬の東京の平均気温が約20度,最低気温の平均が15度ぐらい,最高気温の平均が25度ぐらいです.一方,昨年11月上旬は平均15度,最高20度,最低10度ぐらい.平均値に5度ぐらい差がありますがこのぐらいがこのキノコの適正範囲なのでしょうか?
前回カニノツメを見つけてから5日後に同じ場所に来てみましたら,まだ発生は続いていました.むしろ新しく生えた本数は増えているほどです.ツボから出て伸びてきたところ.近くにこれから出てきそうな幼菌もたくさん.
こちらはツボから出てきたばかりです.前回ツボから出る前の中身を開けてみたら,ほぼこの形のままのものがツボの中に入っていました.この後,スポンジ状の腕の部分がだんだん伸びていくんですね.
幼菌の集まり.
カニノツメは2本の腕でできていますが,ここのは2つ?か3つがつながって変な形になっていました.構造的につながっているわけではなく,グレバが粘りついているだけなのかも,
朝に気温が下がって湿気を感じる日が多く,園内ではキノコがたくさん見られていましたが,図鑑でしか見たことのない,変な形のキノコ,カニノツメを発見.名前の通り,「カニの爪」に見えなくもないですが,太い輪ゴムかイカリングといった感じです.見つけた場所は道路際の風通しの良い疎林で,林床にウッドチップが敷き詰められているところ.広い林の中で,1辺10~20mぐらいのエリアの一面に,このキノコが群生していました.
カニノツメは,スッポンタケ目に含まれています.スッポンタケ類は,かつては腹菌類に分類されていました.腹菌類は,典型的なカサと柄ではない,独特な形のキノコを集めたグループでしたが,遺伝子の比較によっていろいろなグループに分割されてなくなってしまいました.スッポンタケ類は,普通の形のほとんどのキノコが含まれるハラタケ綱の中にスッポンタケ目として移されました.
参考3のページの一番下にこのキノコの部分の名前について説明があります.下に白いツボのようなところ(殻皮,外皮)があり,そこから2本の柄が伸びます.柄はスカスカのスポンジ状で,触ると柔らかいです.先端で輪になっているところは腕と呼ばれ,腕の内側に黒っぽい泥がついているようになっているのがグレバという特徴的なところ.ここは粘液質になっていて胞子がたくさんできているとのこと.グレバはクサいのですが,臭さで虫を呼んで胞子を拡散してもらう作戦.
カニノツメの群生地帯.殻皮に包まれた幼菌が集結しています.
幼菌をひとつとって殻皮を開いてみました.菌糸束が根のように伸びています.中身は粘液に覆われていた,色の明るい未熟なグレバが大部分を占めていて,柄はまだ短いです.
上の写真のような,カニノツメの群生が辺り一面に広がっていて,結構な壮観でした.
参考
- カニノツメ(蟹爪). “自然観察雑記帳”. (参照 2020-12-11) http://naturalism-2003.com/kansatsu/fungi/kaninotsume/kaninotsume.html.
- ■Linderia bicolumnata (カニノツメ) . “■Kinoko □oso的キノコ写真図鑑”. (参照 2020-12-11) http://toolate.s7.coreserver.jp/kinoko/fungi/linderia_bicolumnata/index.htm.
- カニノツメ(蟹爪). “油山市民の森”. (参照 ) https://www.shimi-mori.com/news/detail.php?news_uuid=7228607225edb1969828b70.15883015.
- カニノツメ. “きのこ図鑑”. (参照 2020-12-11) http://www.yamatabi.net/main/zukan/kinoko/kce0301.html.
- Clathrus columnatus. Wikipedia, The Free Encyclopedia. December 9, 2020, 19:13 UTC. Available at: https://en.wikipedia.org/wiki/Clathrus_columnatus. Accessed December 11, 2020. .
- . “”. (参照 ) .
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