スエヒロタケ Split Gills
基本情報
- 和名
- スエヒロタケ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 スエヒロタケ科 スエヒロタケ属 (Schizophyllum)
- 英名
- Split Gills
- 学名
- Schizophyllum commune
- 状況
写真とメモ
最新の写真
森の道端の木に鈴なりになっている白っぽいキノコですが,表面がザラザラで縁が不揃いの感じがスエヒロタケのように見えました.ただ,これまで園内でみつけたスエヒロタケとかなり雰囲気が違っていて,それが菌の古さや環境要因によるものなのか,それともスエヒロタケと似ている別の種類なのかちょっと自信がありません.違いのひとつは色合いで,灰色っぽくなくてきれいなクリーム色に見えること,もうひとつは,スエヒロタケはカサの縁が不揃いに垂れ下がる姿に馴染みがありますが,カサがきれいに広がっていること,そしてカサの裏面のヒダがカサの縁でループを作っているのは共通なのですが,ヒダの間隔や折り返し部分のサイズ感がちょっと詰まった感じがすることなどです.スエヒロタケの近縁種にはあまりこれに該当する種類がなさそうですので,暫定スエヒロタケで掲載してみます.
かなり弱っている木だと思いますが立木にたくさん生えていました.
カサの表面とヒダの様子.表面の線維の感じ,不明瞭な環紋はスエヒロタケっぽいですが,縁までしっかりしているのは新しいから?ヒダは細かいですが,カサの縁の部分でループ状になって見えます(本来は「ヒダがループ状」ではなく,「ヒダが剥がれて2枚に分かれて見える」が正しい解釈のようですが).
カサの断面.
ひと月前にスエヒロタケの老菌と幼菌を見つけたのと同じ場所の倒木で, 今度は比較的新しいスエヒロタケがたくさん生えていました.
色はかなり白く, 真っ白だった幼菌に近いです.表面は粗い繊維が毛羽立ってボサボサになった感じ, 裏革のような質感です.幼菌の表面はその粗い繊維がピンピンと立っている感じでしたので, これもその変化が想像できます.前回見た幼菌と老菌が同じ木のことは思え無いぐらい違っていましたが, その間をつなぐ成菌です.
カサの周囲が指のように深く分かれています.洗濯した軍手をたくさん並べて干しているような光景.
倒木に生えていた見慣れない硬いキノコ.カサの表面も裏面も独特の外見をしていて, あまり似たキノコを見たことがないです.カサの表面は褐色で毛羽立っていて, 黄色っぽい菌糸もあるようです.放射状のすじがあり, カサの輪郭が平滑ではなく, 細かく凸凹しています.
ネット上のスエヒロタケの写真では, もっとカサの色が白っぽいものから褐色のものまであり, 色にばらつきがありました.ちょっと古くなった菌かもしれません.
上の写真のカサの裏のヒダも特徴的.隣り合う2つのヒダが末端でループ状につながっていて, ヘアピンを並べたような独特の外見.このヒダの形が, カサの表のスジやカサの輪郭の形のもとになっているようです.
スエヒロタケは公園で見たことがありませんでしたが, 世界で最も一般的なキノコとのこと.スエヒロタケが属するスエヒロタケ科は多孔菌類とされていたこともあるグループですが, 現在はハラタケ類に分類されているとのこと.スエヒロタケは, 名前は「末広」でおめでたいですが, 免疫力が弱っている人の気管支に感染することが知られている病原菌だそうです(参考3).
こちらのカサは, 輪郭がより入り組んでいます.近くに白くて小さいキノコがあるのを見つけました.
白いトゲトゲしたキノコ.これがスエヒロタケの幼菌とのこと.
参考
- “スエヒロタケ”. ウィキペディア日本語版. 2021-01-13. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%83%92%E3%83%AD%E3%82%BF%E3%82%B1, (参照 2022-07-14).
- スエヒロタケ. “三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/suehirotake.htm.
- 東邦大学医療センター佐倉病院 臨床検査部:気軽に読むサイエンスの話題⑩ 真菌(きのこ)にかかわる病気. 東邦大学医療センター佐倉病院 SAKURA Times 2014.05.10 第73号. https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/sakura/kensa/research/files/20140510_73SAKURATimes.pdf.
- . “”. (参照 ) .
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