基本情報

和名
チャコウラナメクジ
分類
軟体動物門 腹足綱 有肺類 コウラナメクジ科 Ambigolimax
英名
Greenhouse Slug, Stripted Greenhouse Slug
学名
Ambigolimax valentianus, syn. Lehmannia valentiana
状況
IUCN レッドリスト 2017-3[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable(個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

園内の道端、2018年5月26日夜、晴れ

夜に街灯巡りをしていると、街灯に集まっているわけではないですが、夜間活発に活動している動物もたくさん見つかります。ということで、ナメクジの写真も撮ってきました。まじまじと見ることが少なかったナメクジですが、参考4のナメクジ類の検索表を適用してみましたら、チャコウラナメクジと出ました。体のサイスは5、6cmぐらいで、体の前半部に甲羅が見え、その後端に境界線があります。体の前半、後半ともに2~3本の暗色の帯が見えます。

チャコウラナメクジはヨーロッパ(とくにイベリア半島)原産の外来種で、輸送される積荷とともに世界中に侵入している種類とのこと。しかし、世界中ですでに分布が落ち着いているのか、侵略的外来種とは捉えられていない模様です。チャコウラナメクジの近縁種に、ニヨリチャコウラナメクジという種類がいるようなのですが(参考3)、区別点の書かれている資料にあたれませんでしたので、その区別は今回は保留です。

園内の道端、2018年5月26日夜、晴れ

こちらは上の写真の個体のすぐ隣りにいた別個体。体の右側に穴が空いているのが見えます。呼吸孔だそうです。

日本のナメクジ事情は非常にダイナミックで、かつては在来種のナメクジという種類がいたところ、時代とともに別の外来種が入ってきては、そのとき支配的だった種類を押しのけて増える、という変化が何度も歴史的に繰り返されてきているとのこと。チャコウラナメクジは戦後広がった種類で、それ以前にコウラナメクジ(キイロナメクジ)という外来種が多かった時代があり、現在急速に増えつつあるのは生態系被害防止外来種にも指定されているマダラコウラナメクジという種類です。


参考

  1. Rowson, B. 2017. Lehmannia valentiana. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T171764A1331136. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T171764A1331136.en Downloaded on 11 June 2018.
  2. チャコウラナメクジ (2017年4月30日 14:17 UTC)-『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%82%B8
  3. チャコウラナメクジ - 『国立環境研究所 侵入生物データベース』 https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/70390.html
  4. ナメクジの見分け方(簡易版) - 『宇高寛子 UDAKA, Hiroko』 https://sites.google.com/site/udakawebsite/namekuji-kubetu
  5. - 『』