基本情報

和名
ヤマトコマチグモ
分類
節足動物門 クモ綱 クモ目 コマチグモ科 コマチグモ属 (Cheiracanthium)
英名
Japanese Foliage Spider
学名
Cheiracanthium lascivum
状況

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2021年5月23日午前,くもり

草地のススキの葉を伝うようにあちこちと歩きまわっていたクモ.脚の長いスマートな体型で,全身が透けるようなオレンジ色のきれいなクモです.眼や大アゴの周辺が真っ黒,腹部は少し黄色っぽい色です.ススキなどの葉をちまきのように丸めて巣を作るコマチグモのグループ.区別点の情報は参考3により,カバキコマチグモとヤマトコマチグモは歩脚で区別できるというので判断してみました.カバキコマチグモは歩脚に黒い毛が密生し,蹠節,跗節の末端部が黒色,ヤマトコマチグモは歩脚の毛は白色でずっと少なく,末梢に行くと色が濃くなって褐色.ということでヤマトコマチグモのようです.

カバキコマチグモは毒のあるクモとして有名なんですね.毒の強さは非常に強いものの,分量が少ないので死ぬことはないようです.そういえば,小学生の頃,ススキの葉の巣を開いて,中から出てきたクモを手で捕まえたことがありました.クモそのものは掴まずに,ゆるく手を握って手のひらのすき間にクモを入れたのですが,指を噛まれて痛さに飛び上がりました.どのコマチグモだったのかはわかりません.その晩は指が腫れて熱を持っていたのを覚えていますが,一番印象的だったのは噛まれたときの痛さです.これも同じく小学生の頃,ミツバチを捕まえて指を刺されたときよりずっと痛かったです.ミツバチのほうが腫れはひどかったのですが.思えばこんなことばっかりやって育ちました.

小合溜沿いの草地,2021年5月23日午前,くもり

拡大すると頭部はすごい迫力です.巨大な大アゴは頭部よりも大きくはみ出していて,曲線とツヤが存在感をアピール.大アゴの関節の先が折れ曲がっていますが,内側に刺毛がびっしり生えています.頭部以外の場所はきれいなオレンジ色です.歩脚には少数の黒い刺毛が生えていますが,それ以外には淡色の細毛があるようです.触肢の先端が丸く膨らんでいるのがわかります.オスですね.触肢には白い毛がびっしり.

小合溜沿いの草地,2021年5月23日午前,くもり

となりにウズラカメムシ



参考

  1. ヤマトコマチグモ. “クモ基本60 改訂版 2017年4月”.東京蜘蛛談話会.p78. http://spider.art.coocan.jp/spider60/03h.pdf#page=33.
  2. ヤマトコマチグモ. “クモ画像集”. (参照 2021-07-15) http://kumomushi.web.fc2.com/t_z/yamatokomachi.htm.
  3. このクモの種類が知りたいです(2013/6/18 22:41). “Yahoo!知恵袋”. (参照 2021-07-15) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10109005235.
  4. カバキコマチグモ. “太田川河川事務所”. (参照 2021-07-15) http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/terrest/index138.htm.
  5. ヤマトコマチグモ. “東京23区内の虫 2”. (参照 2021-07-15) http://tokyoinsects2.blog.fc2.com/blog-entry-1698.html.
  6. . “”. (参照 ) .