基本情報

和名
タイリクバラタナゴ
分類
条鰭綱 コイ目 コイ科 バラタナゴ属 (Rhodeus)
英名
Rosy Bitterling (ただし,ニッポンバラタナゴ亜種も含むバラタナゴ種として)
学名
Rhodeus ocellatus ocellatus
状況
外来生物法生態系被害防止外来種(最終 修正版,2015年) (国外由来の外来種 > 総合対策外来種 > 重点対策外来種,Ⅰ,Ⅱ 分布拡大期~まん延期 ①②③) (参考1)
IUCN レッドリスト 2023-1[DD] Data Deficient ver 3.1(情報不足), Pop. trend unknown(個体数動向 不明) (ただし,ニッポンバラタナゴ亜種も含むバラタナゴ種それぞの原産地にて) (参考2)

写真とメモ

最新の写真

水産試験場跡地,2020年7月19日午前,晴れ

水産試験場跡地の復元池の水路に浮いていました.婚姻色の出ているオスのタナゴの死体です.春から夏にかけて小合溜には大きなフナがよく浮いて死んでいますが,タナゴを見つけたのは初めて.水中のエサの量の増減や繁殖期の関係でこの季節は死にやすい時期なのかなと思います.



小合溜,2018年5月20日朝,晴れ

メスのバラタナゴの写真が撮れてから,次の目標は婚姻色の出たオスのタナゴの写真を載せることでした.やっと釣れたオスのタナゴ.この個体の全長は6.1cm,秋に撮ったメスよりも全長が小さいのですが,体高が高いからかあまり小さい感じがしません.これから秋まで育ってあのサイズになるのでしょうね(オスなのでもっと大きくなるでしょうが).オスの婚姻色は,産卵期である5~6月ぐらいに一番派手な色になるようです.釣れたときは,体の前半,特に頭部から背びれにかけての部分が青緑に光るのと,体全体が薄いピンクに光るのとで思わず声が出るぐらいきれいでした.上の写真では体の後ろの方のピンクさが出てないですね.光の角度やカメラの自動色補正の問題なのか,それとも生息環境から水槽に移してしまうと,環境光の影響で体色が薄くなるということがあるのかもしれません.目の赤さ,尾びれの付け根のオレンジ色などは変化していない印象です.

秋と同じ場所で何度かタナゴ釣りを試みたのですが,冬はこの場所ではタナゴだけでなく他の魚も釣れませんでした.春になってまたフナブルーギルクチボソなどに混じってタナゴも釣れるようになりました.釣っていたのは小合溜のヨシの生えた岸際で,傾斜して浅くなったところですが,すぐ先が1mぐらいの水深になりますので,水温が低いときはそちらの深い方に移動してしまうのかもしれません.大きなタナゴを釣るのは細い水路でなくて小合溜本体がよいという自分の考えはあっていたのかもしれませんが,この釣り場所は季節限定のようです.この日のエサは,野釣リグルテンでした.

小合溜,2018年5月20日朝,晴れ

前からの拡大.上くちびるが厚ぼったくなって,灰色っぽいボツボツがびっしり付いているのが,追星だと思います.


素人がタナゴを釣ってみるまでの覚え書き

自分はタナゴ素人なので判断が偏っているかもしれません.

  • まずは成魚狙いを:タナゴ好きの人は,より小さなタナゴ幼魚の数釣り追求に進むのかと思いますが,素人が口の小さな幼魚を釣れる仕掛けを用意するのがまずたいへんです.楽しく釣れるのは,口が(比較的)大きくて釣りやすく,色が綺麗で,引きの強さも楽しめる成魚だと思います.最初は成魚ねらいにするのがよいのでは.
  • 釣る場所は,深いところがすぐ近くにある場所で:タナゴ成魚のように体高の高い魚は,あまり浅いところを好まないと思います.小型のクチボソばかりが釣れる場所は一緒にいるタナゴも小さいのばかりで,魚をハリにかける難しさが急激に上昇します.10cmぐらいの小ブナやブルーギルの子どもなど,似たような体形,サイズの魚が一緒に釣れる環境を探して,そういう魚が釣れるタナを目安にするのがよいのでは.
  • 釣る時期は,オスの色が綺麗な今頃がベストでは.冬にタナゴがじっとしている場所をみつけ,そこで釣りができる場合は冬でも可能かもしれませんが,断然釣りやすいのはタナゴの活性が上がって浅いところに上がってきたときなのでは.
  • 仕掛けは市販のもので大丈夫:バラタナゴの成魚なら,タナゴ用の市販の仕掛けに付属のハリを使って対応できると思います.より鋭いハリ先を追求するのが釣果には重要なのだと思いますが,最初に釣れるようになるまでは市販のセットで.
  • タナゴの当たりの小ささに対応できる竿を:フナやギルなどバクっとハリごとエサをくわえてくれる魚はタナゴ浮きが消し込むような当たりが出ますが,タナゴの当たりはクチボソの当たりよりもさらに小さく,浮きの動きは微妙です.浮きが少しでも変な動きをしたら全部合わせるつもりでいくとよいのではと思います.そういう何だかよくわからない当たりにぴくっと反応して,手首から先の動きだけで合わせられる軽くて短い竿はぜひほしいです.安くてもよいと思います.当たりは小さくても,大型のタナゴの引きは相当強くて楽しいです.



小合溜,2017年11月12日午後,晴れ

ずっと写真を撮りたかったタナゴをやっと掲載することができました.かなり以前,四ツ手網でタナゴを獲ったことはあるのですが,その後四ツ手網使用禁止の掲示を見つけて,実は四ツ手網が禁止であることを知りました.ならば写真を撮るには釣るしかないと,小合溜で小物釣りをする度にタナゴを期待していましたが,これまで釣れたことがありませんでした.今回釣れた,写真の個体は成熟したメスで,全長は7.3cmでした.腹部の腹ビレと尻ビレの間から産卵管が斜め後ろに長く伸びています.幼魚には背びれに黒点があるのですがそれはもうありません.

水元公園の小合溜では,近年タナゴが減ってきたというのが共通の認識になっているようで,タナゴ目的の釣りをしても,釣れるのはモツゴばかりというのが相場になっています.理由として,ブルーギルが増えてタナゴと競合しているのでは,とか,産卵する貝が減っているのでは,などが言われているようです.釣り素人ながらこれまで長い間いろいろ試行錯誤して来て,やっと釣れたというのは,まずは非常にうれしいです.ちなみに,釣りのエサは「黄身練り」(生卵の黄身とコツのいらない天ぷら粉を混合して適当に練ったもの)で,仕掛けはタナゴ用のハリやおもり,ウキのセットになった既製品(マルフジ)でした.市販のタナゴ用グルテンえさ(タナゴグルテン)も試したのですが,黄身練りならえさを付け直さずに4回合わせられるところ,グルテンエサでは2回合わせるとハリからエサが取れてしまう感じでしたので,自作黄身練りのほうが楽でした.でも,釣れた一番の要因は何かと想像すると,大きめサイズのタナゴの生息する場所で釣ったことなのではないかと思っています.これまで小合溜につながる細い水路でタナゴが釣れると聞いてそこでばかり試していましたが,あの水路で釣れるのは一様に小さいモツゴばかりでした.ということはもしそこにタナゴがいてもやはり極小サイズばかりでしょうから,タナゴ素人の自分は釣るのが技術的に難しいサイズばかりだったのではということです.今回釣れた場所は,小合溜本体のヨシの茂る水際で,ここは同じ仕掛けで釣っても大きいのから小さいのまでいろいろな魚が釣れます.たとえば,モツゴが20頭釣れると小型から大型まで含まれ,他に中型から大型のタモロコも5頭,ミニサイズのブルーギル3頭,そしてタナゴ1頭…と混じってくる感じです.いろいろなサイズの魚が共存できている,それぞれの種類に適した水中環境のある場所なのだなと思えました.

さて,タイリクバラタナゴは中国朝鮮に生息する種類で,西日本に在来種として生息しているニッポンバラタナゴと種類としては同じ種類(バラタナゴ)で,別の亜種として分類されています.中国・朝鮮から他の魚を移入させた際に日本に入ってきて,日本国内ではヘラブナの移入にあわせて広まっていった種類とのこと.ニッポンバラタナゴと競合して勝ってしまう上,交雑もしてしまうため,ニッポンバラタナゴを絶滅危惧種(環境省レッドリストで絶滅危惧IA類(CR))にさせていますし(参考3),関東などニッポンバラタナゴのいなかった地域でも,在来種のゼニタナゴなどに置き換わって生息している外来種です.ゼニタナゴはかつてその婚姻色の色合いから,通称オカメタナゴと呼ばれてきましたが,バラタナゴはゼニタナゴと似ているので,オカメタナゴという通称をゼニタナゴから引き継いでいるようで,その分馴染みがあるため,同じ外来種のブルーギルに比べれば印象がよいのかもしれませんが,侵略的外来種であることには違いありません.タイリクバラタナゴが増えてほしいのかどうかと考えると,複雑ですね.

小合溜,2017年11月12日午後,晴れ

タイリクバラタナゴは繁殖期のオスの体色が,派手な婚姻色になるのが見事で,メスは四季を通じて色が地味です.オスの婚姻色の色の出方は種類によって違うのでは種の区別に役立ちますが,それ以外の季節やメスには役立ちません.参考4のサイトに,色を使わない種の判別の基準が掲載されていて,非常に役立ちます.真横から撮った写真があれば一通り判別できます.試しにやってみたところ,(1) 側線が不完全で尾まで続かない,(2) 口ひげが見えない,(3 背びれの分岐軟条数が11だった,(4) 尻びれの分岐軟条数が10だった,(5) 関東に分布する可能性があること,(6) 背びれの基底部の長さが尾の付け根の一番細い部分の幅の何倍の長さがあるか(2.5倍)という6項目で,タイリクバラタナゴとゼニタナゴの2種類に絞られました.7番目の特徴として,側線または側線に相当する位置の縦列の鱗数が34という特徴でタイリクバラタナゴに絞られました(ゼニタナゴはウロコが小さく数がはるかに多い).ちなみに,関東にはいませんが,ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴとの区別点でわかりやすいのは腹ビレの前縁が白くなっているかどうか.写真(1枚目の写真がわかりやすい)では白い線が見えますのでタイリクバラタナゴ.

オスの婚姻色の時期に釣るのが次の目標です.



参考

  1. 生態系被害防止外来種リスト.“日本の外来種対策”(環境省 自然環境局). https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html.
  2. Huckstorf, V. 2013. Rhodeus ocellatus. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T62207A3109841. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T62207A3109841.en. Accessed on 07 January 2024.
  3. レッドデータブック・レッドリスト. “生物情報 収集・提供システム いきものログ” (環境省生物多様性センター). https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist.
  4. タナゴ類.“日本淡水魚類愛護会” https://tansuigyo.net/a/link7-8.html, (参照 2024-01-07).
  5. タイリクバラタナゴ.“侵入生物データベース”(国立環境研究所). https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/50080.html, (参照 2024-01-07).
  6. . “”. , (参照 ).