基本情報

和名
ネナガノヒトヨタケ
分類
菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 ハラタケ目 ナヨタケ科 ヒトヨタケ属 (Coprinopsis)
英名
Bighead Inkcap
学名
Coprinopsis macrocephala , syn. Coprinus macrocephalus
状況

写真とメモ

最新の写真

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

ひんやりと湿度のある朝.林の中のチップ置き場にて.いつか見たかった,カサの溶けているキノコを見つけました.朝露で濡れたカサの周囲から黒いしずくが垂れています.おそらく以前見つけたのと同じ種類で,(仮の同定ですが)ネナガノヒトヨタケと思います.このグループのキノコは夕方開いて朝にはカサが黒くなって溶けていきます.英語名 inkcap は黒くなって溶けることからつけられていますね.以前見つけた場所は林内ではなく風通しのよい草地だったので古いキノコのカサは黒くはなっていましたが,乾燥してクシャクシャになっていました.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

このあたりのキノコはみな溶けかけています.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

上の写真のキノコはカサが開きかけているところ.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

カサの裏のヒダが黒くなっているのは成熟している胞子がついているものと思います.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

こちらはカサがかなり広がり,周囲から裂けはじめています.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

カサの中心まで裂けていて,周囲から黒いしずくになっています.

園内の林,2020年10月18日朝,晴れ

キノコが黒くなって溶けていくのは幻想的な風景です.



小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

いつものウッドチップ山で.今回はまだ直射日光の当たらない朝早くに来てみたところ,ウッドチップもまだ湿っていて,キノコもまだ乾燥していませんでした.

この種類,仮の同定ですがネナガノヒトヨタケという種類とネット上や図鑑で見つかる写真が似ています.馬フン,牛フン,ワラなどに生える種類.ヒトヨタケ属は日本に数十種類いて(参考3)その区別には外見では無理で,胞子を顕微鏡で観察する必要のあるものもあるとのこと.たとえば,ネナガノヒトヨタケとウシグソヒトヨタケは外見,生態はそっくりで,顕微鏡で胞子を見てそのサイズで区別可能とのことなので,ウシグソヒトヨタケの可能性もあり.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

カサを上から見たところ.カサの直径は3cmほど.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

柄の断面.柄は繊維状で中空です.カサの周囲から裂けて反り返っています.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

こちらはちょっと乾燥気味,カサの周囲から黒っぽく色が変わってきています.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

こちらはまだ湿っていて,カサの周囲から丸まってきて,裏は黒くなっています.

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

小合溜沿いの草地,2019年5月26日朝,晴れ

細いのが群生していた場所.みなカサが丸まっていますが,裏はまだ黒くありませんね.

このキノコに限ったことではありませんが,キノコは状況によって外見が非常に大きく変化するのを実感しています.太さには結構ばらつきがあり,太いものと細くてひょろひょろしているものは印象が違いますし,育ち方,カサの開き方と乾燥の有無などでも雰囲気が変わります.参考3のデンマークのキノコのサイトは,そういういろいろな様子の写真を網羅していて,感心しました.



小合溜沿いの草地,2019年5月12日午前,晴れ

いつものウッドチップの山で見つけたキノコ.先週の見つけたキノコとそっくり.晴れた日の午前中という条件は先週と同じでしたので,この日も乾燥して枯れたキノコしか見つからず.

小合溜沿いの草地,2019年5月12日午前,晴れ

カサの表面.

小合溜沿いの草地,2019年5月12日午前,晴れ

白い柄は中空っぽくて乾燥してペソペソになってます.



小合溜沿いの草地,2019年5月5日午前,晴れ

変形菌(ススホコリ)の変形体を見つけたウッドチップの山に,日向で乾燥しかけた細いキノコがぽつぽつ生えていました.柄が細くて,カサは非常に薄く裏は黒.ヒトヨタケのグループだとすると,一晩で枯れてしまうキノコなので,ゆうべカサが開いたのだと思います.

小合溜沿いの草地,2019年5月5日午前,晴れ

カサの表面は灰色で,粒状,ささくれ状の突起は目立たずかなり平滑,放射状のスジが入っています.

小合溜沿いの草地,2019年5月5日午前,晴れ

カサの裏は細かいヒダがあり離生,色は黒でした.柄には細かいささくれはありますが,ザラエノヒトヨタケよりは目立たない印象.

小合溜沿いの草地,2019年5月5日午前,晴れ

こちらは雰囲気そっくりのキノコですが,一番柄が太かったもの.



参考

  1. ネナガノヒトヨタケ. “きのこ屋”. http://hirocybe.lolipop.jp/kinoko/00jap/nenaganohitoyotake.htm.
  2. ネナガノヒトヨタケ.“遊々きのこ”. http://yuyukinoko.sakura.ne.jp/arubamu/05na/04ne/nenaganohitoyotake01.htm.
  3. ヒトヨタケ.“三河の植物観察”. http://mikawanoyasou.org/kinoko/hitoyotake.htm.
  4. Coprinopsis macrocephala. "Danmarks svampeatlas"(訳 デンマークのキノコ). https://svampe.databasen.org/taxon/61242.
  5. . “”. (参照 ) .