カントウタンポポ A Species of Japanese Dandelions
基本情報
- 和名
- カントウタンポポ
- 分類
- 被子植物類 真正双子葉類 キク類 キク目 キク科 タンポポ属
- 英名
- Kanto Dandelion; a species of Japanese Dandelions
- 学名
- Taraxacum platycarpum
- 状況
写真とメモ
タンポポといえば、日本在来種のタンポポが外来種のタンポポ(セイヨウタンポポ)との競争に負けて、生息域が減っている話を聞きます。外来種のタンポポは要注意外来種に指定されています(参考1)。水元公園の分布状況がどうなっているのかとあちこち歩きまわってみましたら、在来種と外来種とどちらも見つけることができました。花の数や生えているエリアで言うと外来種のタンポポのほうがずっと広く、あちこちに散発的に在来種のタンポポが生えているエリアがありました。
この写真はそのうちの在来種タンポポのかたまって生えていたエリアのうちのひとつ。このエリア、10m四方ぐらいに生えているのは在来種タンポポばかりでした。外来種タンポポの生えている場所とすぐ近くにありますし、環境的にもよく似ているので住み分けているというような印象はありません。競争中といわれればそうなのかもしれません。
在来種タンポポと外来種タンポポを区別する方法は、花の根元にある緑色のガクのようなところ、総苞片の様子です。外来種はそりかえって丸まっているのに対し、在来種は花にそって上の方に伸びていて、そり返りません。区別は参考3のサイトがわかりやすいと思います。「区別図解3」には、総苞片が反り返らない在来種の間の区別法もあります。それによると、写真の花はカントウタンポポのように見えます。
株の全体。よく見ると在来種と外来種とを区別する方法はあるのだと思いますが、自分にはどちらも同じように見えます。
こちらは葉の様子。
他のサイトの情報(参考4)などを見ると、外来種が在来種の近くに生えていると在来種の受粉を邪魔することがあるとありました。ただし在来種のには、外来種に受粉を邪魔されやすい種類(カントウタンポポやカンサイタンポポ)と邪魔されにくい種類(トウカイタンポポ)があるとのこと。外来種がカントウタンポポを減らしているメカニズムはこれのようです。
この花は、上のエリアの近くの別の場所でみつけた花です。総苞片が完全にそり返ってはいませんが、花から離れて斜めに伸びています。外来種と在来種との間では雑種はつくられにくいそうですが、参考5によるとDNAを調べると雑種が存在して、もし雑種があったとしても、DNAなどを調べないと外見での区別は難しいようです。
参考
- 外来タンポポ種群(Taraxacum spp.)に関する情報 - 『要注意外来種リスト(外来生物法)』 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#22
- カントウタンポポ - 『Wikipedia 日本語版』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%9D
- タンポポの見分け方 - 『三浦半島の野草』 http://www.azami.sakura.ne.jp/yasou/zoku/tanpopo-0-miwakekata.htm
- 名大など、在来植物が外来種に追いやられるメカニズムを解明 [2013/09/30] - 『マイナビニュース テクノロジー』 http://news.mynavi.jp/news/2013/09/30/031/
- 外来種タンポポと日本タンポポの雑種 - 『日本タンポポラボ』 http://taraxacum.sakura.ne.jp/zassyu.html
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