基本情報

和名
コウヨウザン
分類
裸子植物類 マツ綱 マツ目 ヒノキ科 コウヨウザン (Cunninghamia) 属
英名
Chinese Fir
学名
Cunninghamia lanceolata
状況
IUCN レッドリスト 2019-3[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考1)

写真とメモ

最新の写真

小合溜、2020年1月13日お昼、晴れ

コウヨウザンの実が茶色くなっていました。未だ地面に落ちていないようで、高いところの枝についているのを拡大してみました。

小合溜、2020年1月13日お昼、晴れ

この角度から見ると、松ぼっくり(松かさ)のような実です。鱗片のすき間に種が入っているのも松ぼっくりと同じだと思います。松ぼっくりとちょっと違うのは鱗片の先端が尖っていること。松ぼっくりというのは松の実のことですが、コウヨウザンを漢字で書くと「広葉杉」になるそうで、杉の実なので松ぼっくりとは呼びにくいですね。実の大きさは、アカマツクロマツの普通の松ぼっくりよりは一回り小さく、ラクウショウの実と同じぐらいでしょうか。実が落ちてきたらまた観察してみます。



園内の林、2018年6月24日午後、くもり

園内の林の片隅で、見慣れない針葉樹を見つけました。枝の一番先端に大きな丸い実がたくさんぶら下がっているのが、クリスマスツリーのオーナメントのような感じ。枝に並んでいる細長い細い葉はやや幅がありますが、イヌマキなどよりは狭く、モミの木に近い感じ。この木はまだ若い木だと見えて、幹にも葉が残っています。

撮影した写真を元に種類を調べたら、中国原産のコウヨウザンという種類で、スギやラクウショウなどに近縁とわかりました。参考3によると、材木としては日本ではほとんど使われていませんが、中国では非常に重要な材木で、植林面積の最も広い樹種とのことです。ヒノキ、スギ、カラマツ、アカマツなどと同じく、横架材(おうかざい:梁や桁など、横向きに構造を支える材木)に適した強度を持っている樹種とのこと。

園内の林、2018年6月24日午後、くもり

実の拡大。写真の実の直径は 2cm以上あります。ラクウショウの大きな実と似たサイズですね。表面を多くウロコ状の構造に覆われています。ひとつひとつのウロコに、下の写真の葉裏と同じく、太くて白い縞模様が入っています。

園内の林、2018年6月24日午後、くもり

こちらは実のついていない葉先。葉はある程度の幅があって、先端に行くに従って次第に細くなる形。葉裏に白いすじが見えます。葉が微妙にいろいろな方向に反っている感じと、独特の実の様子もあって、全体として熱帯植物っぽい、南国風の雰囲気を持っています。

園内の林、2018年6月24日午後、くもり

幹とそこから出る枝。

園内の林、2018年6月24日午後、くもり

下の方の枝の葉から枯れて落ちていき、枝の表面にウロコ状の構造が残ります。



参考

  1. Zhang, D & Christian, T. 2013. Cunninghamia lanceolata. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T42215A2962265. Downloaded from http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T42215A2962265.en on 14 July 2018.
  2. コウヨウザン - 『庭木ペディア』 https://www.uekipedia.jp/%E5%B8%B8%E7%B7%91%E9%87%9D%E8%91%89%E6%A8%B9/%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%82%B6%E3%83%B3/
  3. コウヨウザンのそもそもと研究の現状(近藤禎二) - 『林木遺伝資源連絡会誌【2016 No.1】』 https://www.ffpri.affrc.go.jp/ftbc/iden/kaishi/2016no1.html
  4. - 『』