基本情報

和名
タケノホソクロバ
分類
節足動物門 昆虫綱 チョウ目 (ガ類) マダラガ上科 マダラガ科 クロマダラ亜科 Artona
英名
Bamboo Moth
学名
Artona martini Efetov, 1997
状況

写真とメモ

園内の街灯の下,2024年2月4日夜,くもり

冬のガを探しに街灯巡りをしていたら,ガらしくない黒い虫が街灯の下に落ちているのを発見.太い体,細めの翅からハチ・アブにも見えましたが,よく見ると翅や体は全体が黒い鱗粉に覆われていて,ガだと気づきました.翅が曲がってねじれている感じが,もしかしたら羽化失敗した個体が,周辺から街灯の下まで歩いて移動してきたのかも.

鱗粉に構造色的な金属光沢を感じたので,光を当てる角度を変えたり調節してみましたが,下の写真のように,かすかに青い反射がある感じです.

園内の街灯の下,2024年2月4日夜,くもり

種類はおそらくマダラガ科のクロバ類とわかりました.この個体は触角が櫛歯状ではなく鞭状なのでメス.ただ,冬に成虫が出るということに該当する種類がみつかりません.クロバ類で成虫の出現が最も早いのはルリイロスカシクロバ,ブドウスカシクロバなどですが,これらは体に強く青く光る鱗粉を持っています.もっと遅い時期に発生するタケノホソクロバが次の候補です.タケノホソクロバの体色が見える写真では,体全体が黒(参考5,6).タケノホソクロバは繭の中で前蛹や蛹で越冬して,ふつうは春に第1化の成虫が出て,その後,年2~3化する種類のようです(参考4).暖冬と2日前の春のような陽気のために,間違って羽化してしまったタケノホソクロバの可能性があるのではと思います.参考2には沖縄の2月の成虫の写真も掲載されていました.



参考

  1. Artona martini Efetov, 1997 in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/1757853 on 2024-02-10.
  2. タケノホソクロバ. “みんなでつくる日本産蛾類図鑑”. http://www.jpmoth.org/Zygaenidae/Procridinae/Artona_martini.html, (参照 2024-02-11).
  3. タケノホソクロバ. “虫navi”. https://mushinavi.com/navi-insect/data-ga_takenohosokuroba.htm, (参照 2024-02-11).
  4. タケノホソクロバ. “いきもの図鑑(木のぬくもり・森のぬくもり)”. https://www.jugemusha.com/ikimono-k-takenohosokuroba.htm, (参照 ).
  5. タケノホソクロバ. No.008. 衛生動物だより(京都市 衛生環境研究所). https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000064979.html, (参照 2024-02-11).
  6. Artona martini Efetov, 1997 馬汀氏竹斑蛾: In "臺灣蛾訊 MOTHS of Taiwan". Retrieved from http://mothtaiwan.blogspot.com/2012/03/artona-martini-efetov-1997.html on 2024-02-11.
  7. . “”. , (参照 ).