基本情報

和名
イノモトソウ
分類
(シダ・コケ) (シダ類) ウラボシ綱 ウラボシ目 イノモトソウ科 イノモトソウ属 (Pteris)
英名
Spider Brake
学名
Pteris multifida
状況

写真とメモ

水産試験場跡地,2021年12月15日午前,晴れ

復元池の水路際で発見した,あまりシダっぽくない葉を持つシダです.シダっぽい葉とは,中軸からたくさんの羽片がでて,さらに小羽片に分かれる葉のイメージですが,このシダは,羽片が小羽片には分かれません.中軸の両側にも葉がついています.高さは30cmちょっとぐらい,観葉植物にもなりそうな上品な雰囲気だなと感じましたが,イノモトソウ属(Pteris)には属名のプテリスという名前で呼ばれる園芸用に流通する種類が何種類かあるようです.園芸用に流通するのはオオバノイノモトソウの変種,マツザカシダ,ホコシダなどみたいです.この種類イノモトソウは日本から東南アジアまで分布する種類.

日をおいて2回写真を撮ってみたのですが,1回目には葉裏に胞子嚢(ソーラス)を見つけられず,2回目に見たときにソーラスがついていました.観察時期を変えたことで,ソーラスが後で形成されたのかと思ったのですが,実はそうではなく,葉には2種類あるとのこと(参考1-3),ソーラスのできる「胞子葉」とソーラスのできない「栄養葉」を区別できます.上の写真では中央付近に栄養葉,その両側,右と左に胞子葉があります.

水産試験場跡地,2021年12月6日午前,晴れ

上の写真が栄養葉,下の写真が栄養葉の裏面です.栄養葉は胞子葉よりも長さが短く幅が広く,縁に鋸歯があります.中軸にも翼があり,葉が全体としてつながっています(これは栄養葉,胞子葉で共通).

水産試験場跡地,2021年12月6日午前,晴れ

栄養葉の裏面.

水産試験場跡地,2021年12月6日午前,晴れ

こちらが胞子葉です.上の写真が表面,下の写真が裏面です.栄養葉よりも幅が狭くて長いです.縁には鋸歯がありません.

水産試験場跡地,2021年12月15日午前,晴れ

裏面を見ると,葉の縁が裏側にめくれるようになっていて,縁に沿って一列(両側で2列)にソーラスが並んでいます.

水産試験場跡地,2021年12月6日午前,晴れ

葉裏の拡大.ソーラスは長くつながっています.



参考

  1. “イノモトソウ”. ウィキペディア日本語版. 2019-05-29. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%A2%E3%83%88%E3%82%BD%E3%82%A6, (参照 2022-04-19).
  2. イノモトソウ. “三河の植物観察”. (参照 2022-04-19) https://mikawanoyasou.org/sida/inomotosou.htm.
  3. イノモトソウ. “松江の花図鑑”. (参照 2022-04-19) https://matsue-hana.com/hana/inomotosou.html.
  4. . “”. (参照 ) .