基本情報

和名
クロカナブン
分類
節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 コガネムシ上科 コガネムシ科 ハナムグリ亜科 Rhomborhina
英名
Black Drone Beetle
学名
Rhomborhina polita
状況

写真とメモ

林内の立入禁止について

園内の林縁,2021年3月14日午後,晴れ

公園内の林には,2019年春以降,上のような林内立入禁止の看板が立っています.このサイトの撮影者はこの立入禁止を遵守しています.このページには,2018年までの撮影分に,林内で撮影した写真も含まれていますが,看板設置以降は,その場所には立ち入れなくなっていますので,ご了承ください.


園内の樹液場,2018年8月5日朝,晴れ

園内で見つけた樹液場で,ふつうのカナブンシロテンハナムグリと一緒に,「黒いカナブン」がいました.クロカナブンを園内で見たのは初めてだったので写真を撮ってきたのですが,ここに掲載しようとして改めて調べてみると,「黒いカナブン」が必ずしもすべてクロカナブンではないということに気づきました.ふつうのカナブンには色彩変異が多く,一番多い茶色っぽい色(写真の左のカナブン)以外にも,少数派ですが緑色をしているタイプ,黒いタイプ,赤っぽいタイプなどが存在します(参考2).こういう「カナブンの色変わり個体」とクロカナブン,アオカナブンとを見分ける必要がありました.この違いを見分ける方法でもっともわかりやすいのは,体の下面から後肢の付け根のところを見ること(参考2).この日は腹側からの写真を撮っていなかったので,この確定ができず,翌週末にまた同じ樹液場に行って探したら,幸運にも遭遇することができました.それが下の写真.

園内の樹液場,2018年8月12日朝,くもり

画面中央にある,左右の後肢の付け根がポイント.写真では中央で後肢の付け根が接していますが,こうなっているのがクロカナブンやアオカナブンで,カナブンはここが左右で離れているとのこと.この区別が一番確実です.ということでクロカナブンで間違いないと思います.カナブンは日本以外にも中国,朝鮮,ベトナムなどにもいますが,クロカナブンは日本だけに分布している種類のようです.クロカナブンは2010年の東京都のレッドリストに掲載されていましたが,2020年度のリストでは除外されました(参考1).

ちなみに,オスとメスの違いは腹部下面の中央にかなり大きなくぼみがあるかどうか.凹んでいるのがオスで,くぼみがないのがメス(参考2).上の個体ではくぼみがありませんのでメス.

園内の樹液場,2018年8月5日朝,晴れ

クロカナブン,アオカナブンとカナブンの分類は,以前は Rhomborhina 属という同じ1つの属に分類されていましたが,現在はカナブンだけ Pseudotorynorrhina 属に移されて,他の2種と別の属になったようです.確かに,アオカナブンとクロカナブンは色は違いますが,形でカナブンと区別する上でのポイントは共通のものが多いようです.上の後肢の付け根以外には,体の幅が狭くて細長い,後ろに行くと体の幅が狭くなる,足が長く特に跗節が長いなど.ただ,残念ながらこれらの違いはフィールドで自由に動く虫を見て区別するには,よほど慣れないと難しいぐらいの微妙な違いに感じました.後肢の付け根の区別が確実.



参考

  1. レッドデータブック. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. カナブン、アオカナブン、クロカナブンの違い. “クワガタ・カブトムシ飼育情報:月夜野きのこ園”. https://www.tsukiyono.co.jp/stag2/2015/11/10/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%B3%E3%80%81%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%B3%E3%80%81%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84/, (参照 2023-08-13).
  3. クロカナブン. “昆虫エクスプローラ”. https://www.insects.jp/kon-koganekurokanabun.htm, (参照 2023-08-13).
  4. . “”. , (参照 ).