マダケ Japanese Timber Bamboo
基本情報
- 和名
- マダケ
- 分類
- 被子植物類 単子葉類 ツユクサ類 イネ目 イネ科 タケ亜科 マダケ属 (Phyllostachys)
- 英名
- Japanese Timber Bamboo, Madake
- 学名
- Phyllostachys reticulata
- 状況
写真とメモ
最新の写真
マダケのタケノコの時期は6月のことで,タケノコを探してきました.マダケ林のあちこちにタケノコが出ていました.タケノコの太さは皮(稈鞘)の厚さ分も含めて3cmほどでしょうか.稈鞘には黒っぽい大小の斑点が目立ちます.黒い斑点があるのは出たばかりのタケノコの皮だけのようで,他の伸びた竹の根本の皮は明るい色ですね.
稈鞘を1枚はがして拡大したところ.表面が無毛でつるつるしています.黒い斑点が多いのが,おにぎりを包みたくなる感じ.
園内の笹・竹類の種類を調べてみようとしています.笹竹の知識が乏しく苦戦中です.ササ類については,園内の林内であちこちに生えていますが,「竹林」といえるのはこの場所だけかもしれないという場所がグリーンプラザの裏手にあります.この竹の種類にもちょっと手間取りました.最終的には,多くの特徴からマダケという結論になったのですが,その過程で悩んだことがありました.それはタケのサイズについてです.参考サイトによると,マダケの稈(かん:竹の茎の部分)は高さ10-20m,直径8-12m,節間30-50cmとなっています.この場所のタケの高さはせいぜい5m,稈の太さは一番太いので3cm,節間は20cm以下しかありません.タケは高さがどんどん伸びますが,太さは生えたあとでは太くならないと信じているので,ここのタケは3cm程度までしか太くならない種類なのかもと考えたからです.図鑑に掲載されている太さや節間の長さは条件が良いとそのぐらいのサイズまで大きくなることがある,という目安なのだろうと思います.あってますでしょうか.
上の写真で種類の特徴がよく出ています.図鑑に掲載されているイネ科タケ亜科の検索表を参照すると,稈の枝の出ているところの上の部分に,縦方向の窪みがあるのがマダケ属の特徴です.また,節ごとに出る枝の数が2本というのもマダケ属の特徴.上の写真には,枝のうちの1本の断面が見えていますが,マダケ属の中で枝の第1節めの断面が中空になるのはマダケだけの特徴なので,上の写真だけでマダケと特定できます.
マダケの特徴は節にもあり,節に盛り上がった部分が上下二重の輪になっているのはマダケとハチク,モウソウチクでは輪が1つにみえます.また,2つある盛り上がりの上の輪が尖ってなくて丸くなっているのがマダケで,もっと鋭角的なのがハチク.稈の色が若々しい緑色のままなのがマダケで,ハチクやモウソウチクは白っぽく汚れた感じになります.これらの特徴は参考5がわかりやすいです.また,この場所の近くにタケササ類が名札付きで展示してある植栽コーナーをみつけ,モウソウチク,ハチクも実物を見ることができて,違いを実感できました.
この林のマダケでは,太さは~3cm,節間は長くても20cmほどでした.図鑑に掲載されているマダケの最大サイズよりもかなり小さいのは,あまり竹の生える条件としてよくないのでしょうか.タケは地下茎を伸ばしてどんどん広がって行きますが,この林では狭い範囲に限定されているので,おそらく地下茎を伸ばせないように地中にバリケードがあるのかと思います.そういうこともあって,あまり太い竹が出てこない状態になっているのかもしれません.この林でできるタケノコが細いのもこのためかも.マダケのタケノコの時期は6月とのことで,時期になったらタケノコの写真を撮りに来てみたいです.
葉の写真を撮ってみました.探したうちで一番長い葉がこれ.20cmに足りないぐらいです.でもたいていは10cm~15cmぐらいの長さの葉が多かったようです.
葉の付け根.葉につながる葉鞘の上端部分に,肩毛と呼ばれる太い毛が生えています.マダケの肩毛は絵の写真のようにあちこちに向いて広がります.
上の写真:葉表に毛はなし.下の写真:葉裏にも毛はなし.
通路側から見たところ.細くて背もあまり高くない竹が密集しています.マダケの林でも,10cmぐらいの太いタケノコを採る竹林は,もっと竹も高くて太い稈がまばらに生えていると思うので,ぜんぜん印象が違います.
稈鞘の拡大.竹類と笹類との違いは,稈のまわりにある稈鞘という皮がすぐ剥がれるか,ずっと残るかとのこと.竹はタケノコのときの皮が成長とともに剥がれていきます.残っている稈鞘をみると,薄く黒っぽい模様があります.稈鞘の模様も種類の区別に使えますが,図鑑のマダケではもっと黒い模様がはっきりしていました.マダケ同様に模様があるのがモウソウチクで,ハチクは模様なし.
はがした稈鞘.毛はほとんど目立ちません.モウソウチクの稈鞘には毛が密生しているとのこと.
参考
- “マダケ”. ウィキペディア日本語版. 2023-10-31. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%80%E3%82%B1 (参照 2023-12-31).
- "Phyllostachys bambusoides." Wikipedia, The Free Encyclopedia. December 8, 2023, 18:44 UTC. Available at: https://en.wikipedia.org/wiki/Phyllostachys_bambusoides. Accessed December 31, 2023.
- マダケ. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/data/madake.htm, (参照 2023-12-31).
- イネ科-2 タケ亜科 Subfam. Bambusoideae-2 (マダケ属). “広島の植物ノート”. http://forests.world.coocan.jp/flora/po-2.html, (参照 2023-12-31).
- 薬王堂気まぐれ通信使№660 2012-6-10. “薬王堂気まぐれ通信使”(薬王堂漢方薬局・鍼灸指圧整骨院). http://www.hicat.ne.jp/yakuoudo/kimagure%20tusin/order10/660.htm, (参照 2023-12-31).
- . “”. , (参照 ).
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