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水辺の野草園,2025年11月8日午前,くもり

水辺の野草園ではピンクの花のシュウメイギクはもっと早い時期に咲いていたと思いますが,晩秋になって白花のシュウメイギクが一斉に咲いていました.ピンク花のとは別の園芸品種だと思いますが,花びら(ガク)のサイズにばらつきが小さく,部分的に二重になっています.

水辺の野草園,2025年11月8日午前,くもり

シュウメイギクの分類上の位置について,現在の国際的な学名と日本で主に使われているものが異なっているため,情報が錯綜していて難しかったのですが,参考7に国際的に使われている学名と日本での扱いとの対応関係がわかりやすく整理されていました.原種としては中国原産のシュウメイギクが日本に入ってきてキブネギクとも呼ばれましたが,日本で野生化したものも含めて種としてはシュウメイギクにあたります.この種類の花は紫色,半二重から八重で花びらの枚数は10から0枚.これと交配された別の原種にタイワンシュウメイギク,ヒマラヤシュウメイギクがありますが,これらは単独で日本で栽培されることはほぼなく,シュウメイギクとヒマラヤシュウメイギクとの種間雑種が園芸品種としてヨーロッパでたくさんつくられた日本でも栽培されているのはボタンキブネギクと呼ばれるようです.現在の日本で一般にシュウメイギクと呼ばれているのはかつてのシュウメイギク(キブネギク)ではなく,ボタンキブネギクとの説明です.



基本情報

和名
ボタンキブネギク(シュウメイギク)
分類
被子植物類 真正双子葉類 キンポウゲ目 キンポウゲ科 Eriocapitella
英名
Japanese Anemone, Chinese Anemone, Japanese Thimbleweed
学名
Eriocapitella × hybrida (L.H.Bailey) Christenh. & Byng
syn. Anemone × hybrida Paxton
状況
時期
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写真とメモ

グリーンプラザ・野草園,2019年9月23日夕方,晴れ

紫がかったピンクの花は上品な色合いです.去年の秋は水べの野草園の花壇で咲いていましたが,それと同じ花,おそらく園芸品種の 'Hadspen Abundance' (ハドスペン・アバンダンス)に見えます.この花,花びら(実はガクですが)は5枚ありますが,その5枚の大きさが大小不揃いなのが特徴とのこと.これは去年もちょっと感じましたが,今年は咲いている花ほとんどみなこんなちぐはぐな大きさの花びらでした.

グリーンプラザ・野草園,2019年9月23日夕方,晴れ

シュウメイギクは中国原産で,古くから日本に持ち込まれた品種が日本で野生化もしていますが(京都の貴船地区で野生化 → キブネギクの由来),その品種は赤紫色の八重咲きの花とのこと(参考6,写真は参考7).その後,日本やヨーロッパで交配され,白から紫までの花色の品種や花びらの少ない品種がつくられたようです.

グリーンプラザ・野草園,2019年9月23日夕方,晴れ



水べの野草園,2018年9月30日午前,くもり

鮮やかな色の花.つぼみがたくさんついていてこれから花盛りになりそうな様子.シュウメイギクまたはキブネギクと呼ばれるキンポウゲ科アネモネ類の一種でした.紫がかったピンク色の花びらに見えるところはガクで,花びらは退化してしまっているそうです.黄色い雄しべがリング状に見えます.

もとの分類では,イチリンソウ,ニリンソウキクザキイチゲなどと同じイチリンソウ (Anemone) 属に属していましたが,別の Eriocapitella 属に分けられたとのこと.

水べの野草園,2018年9月30日午前,くもり

キクの名前がついていますが,花はあまり菊っぽくありません.一方,葉の形は菊にちょっと似ています.葉の出るところから花茎が何本も伸びだして順に花が咲いていくようです.

水べの野草園,2018年9月30日午前,くもり


その他の観察記録(写真未掲載)

  • 2025年11月23日午後,くもり,水辺の野草園.花
  • 2025年10月13日午前,くもり,水辺の野草園.花


参考

  1. Eriocapitella japonica (Thunb.) Nakai in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/3925307 on 2025-12-13.
  2. Eriocapitella ×hybrida (L.H.Bailey) Christenh. & Byng in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/9673106 on 2025-12-13.
  3. “シュウメイギク”. ウィキペディア日本語版. 2025-09-07. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%82%AF, (参照 2025-12-13).
  4. シュウメイギク. “育て方図鑑(みんなの趣味の園芸 NHK)”. https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-222, (参照 2025-12-13).
  5. シュウメイギク. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/data/shuumeigiku.htm, (参照 2025-12-13).
  6. シュウメイギク. “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/syuumeigiku.html, (参照 2025-12-13).
  7. シュウメイギクとボタンキブネギクの違いは?似た種類の見分け方を解説!シュウメイギクの同定はほどんど間違っていた? “Ecological Notes Web”. https://ecological-information.com/archives/9960, (参照 2025-12-13).
  8. . “”. , (参照 ).