基本情報

和名
キショウブ
分類
被子植物類 単子葉類 キジカクシ目 アヤメ科 アヤメ属
英名
Yellow Iris, Water Flag, Yellow Flag
学名
Iris pseudacorus
状況
外来生物法生態系被害防止外来種 (国外由来の外来種 > 総合対策外来種 > 重点対策外来種) (参考1)
IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種侵略的外来種(北米、ニュージーランド)、原産(ヨーロッパ、ロシア、西アジア、北アフリカ) (参考2)
IUCN レッドリスト 2015-4[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend stable(個体数動向安定) (参考3)

写真とメモ

最新の写真

水生植物園付近、2014年9月15日朝、くもり

5月にキショウブが満開だった水生植物園近くの湿地に来てみました。まだ緑色をしていますが、キショウブの実がなってました。アヤメやハナショウブの仲間なので群落を作るのは地下茎で増えるからだと思いますが、実もたくさんなっていましたので、種からも容易に増えそうな印象です。



小合溜沿いの草地、2014年5月18日午後、晴れ

湿地でなく、陸上の草地にぽつんと1株だけ離れて咲いていたキショウブです。すぐ近くまで寄れたので花の拡大をしてみました。複雑な形の花なので、いろいろな方向から撮影してみました。上の写真は真上からみたところ。

キショウブの花の構造は参考4に。一番花びらっぽい大きい部分はガク。その上に重なっている幅の狭い花びら状のものはめしべ。本当の花びらは、それらと60度ずれたところにある小さな部分(上の花では白っぽい)だそうです。

小合溜沿いの草地、2014年5月18日午後、晴れ

斜めからみたところ。大きな花びらの上に、小さな花びらが載っているようにみえるのがガクとめしべ。

小合溜沿いの草地、2014年5月18日午後、晴れ

ガクとめしべの間を除くと、おしべがその間に隠れているそうです。ちょっとだけ見えています。



小合溜(中央広場周辺)、2013年5月26日午後、晴れ

園内のあちこちでキショウブが咲いています。これは小合溜沿いで。園芸品種のハナショウブとは別種とのこと。園芸品種には黄色い花はないので目立って綺麗です。もっとも、菖蒲まつりの花菖蒲園に植えてあったら、花の色が他と違いすぎて浮いてしまいそうです。

水生植物園付近、2013年5月26日午後、晴れ

こちらは別の場所。水生植物園のそばの林内の湿地です。この水辺には無数のキショウブが咲いていました。キショウブは、園芸用に日本に持ち込まれたものが、繁殖力が強くて野生化したものとのことで、要注意外来種に指定されています(その後、要注意外来種を引き継いだ生態系被害防止外来種に指定)。水元公園では風景の一部になっているように思えますが、在来種の近縁種がある地域では交雑する可能性があって厄介なことになっているようです(参考1)。繁殖力が強いということは、栽培する上でも扱いやすくてよいとは思うのですが、周辺にも広がるようだとまずいですね。

水生植物園付近、2013年5月26日午後、晴れ

林内の群落。一面のキショウブの花。


参考

  1. 生態系被害防止外来種リスト - 『外来生物法(環境省 自然環境局)』 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list.html
  2. issg Database: Distribution of Iris pseudacorus - 『ISSG Global Invasive Species Database』 http://www.issg.org/database/species/ecology.asp?si=873&fr=1&sts=sss&lang=EN
  3. Iris pseudacorus (Yellow Iris) - 『The IUCN Red List of Threatened Species』 http://www.iucnredlist.org/details/163999/0
  4. キショウブ - 『Wikipedia 日本語版』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%96
  5. キショウブ - 『公園の雑学植物図鑑』 http://after-green.com/tayori/20060601.html