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園内の疎林,2024年7月7日朝,晴れ

小さなヘビが小道を横切るところに遭遇.斜面保護の金網のかごの陰に進んでいくところです.頭が小さくて目が顔の前の方についています.口の横から首にかけて白い帯がありますが,体は赤褐色一色で模様はなし.ヒバカリでした.以前見つけた小さいヒバカリに比べると,体色がかなり明るいです.

園内の疎林,2024年7月7日朝,晴れ

頭部を上から見ると,顎の後部の部分に白い帯があります.

園内の疎林,2024年7月7日朝,晴れ

ヘビの全長は50 cm以上ありそうでした.ヒバカリの成体のサイズがこのぐらいのようです.



基本情報

和名
ヒバカリ
分類
爬虫綱 有鱗目(トカゲ目) ナミヘビ科 ヒバカリ属 (Hebius)
英名
Japanese Keelback
学名
Hebius vibakari (Boie, 1826)
Syn. Amphiesma vibakari (Boie, 1826)
状況
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類,東京都本土部全体における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類 (参考1)
埼玉県レッドデータブック動物編2018(第4版) 加須・中川低地における区分:[NT1] 準絶滅危惧,全県における区分:[NT1] 準絶滅危惧 (参考2)
千葉県レッドリスト-動物編(2019年改訂版)[D] 一般保護生物 (参考3)
IUCN レッドリスト 2024-1[LC] Least Concern (絶滅のおそれなし) ver 3.1, Pop. trend unknown(個体数動向 不明) (参考4)

写真とメモ

園内の林,2023年9月10日午後,晴れ

この時期は仕事の関係でなかなか公園に行けませんでしたが,久しぶりに散歩に行ってみました.前の週に雨が多かったので,林内の道沿いのウッドチップ置き場に何か生えていないか見に行ったら,新しいチップが山積みされていてキノコも粘菌も無理と判明.名残惜しくウロウロしていると,ウッドチップ置き場を横切るように移動中の極小のヘビ発見.全長15cmほどで,体は背面がほぼ黒くて,腹面は青みがかった白,見慣れない色合いのヘビでした.最終的にヒバカリという小型のヘビと判明.首のあたりに白い帯があるのが特徴で,口の周りも白いです.

ヒバカリは小型の種類と言っても数10cmまで成長するので,この個体はやはり子どもです.日本や東アジアなどに分布.日本産は基亜種で,本州四国九州に分布.東京,埼玉,千葉を含む多くの都道府県でレッドリストに登録されている絶滅危惧種でした.林や水辺などの日陰に住み,ミミズやカエル,小魚などを食べる種類とのこと.水元公園の環境に向いていそうな種類です.

園内の林,2023年9月10日午後,晴れ

全身.下の定規と比べると体が小さいのがわかります.全身がかなり黒いです.ヒバカリの体色については,子どもの頃は黒く,成長とともにもう少し明るめの褐色系になるとのこと.

黒いヘビというと,いわゆるカラスヘビと総称される,色々な種類のヘビの黒化型かなと思って,はじめはシマヘビの黒化型,ヤマカガシの黒化型,アオダイショウの黒化型… と確認していったのですが,顔つきが違うんですよね.ヒバカリの眼は大きくて口の近くについていて,あどけない表情ですが,他の種類はもっと目つきが険しい感じ.

園内の林,2023年9月10日午後,晴れ

頭部には青みがかった光沢があります.ウロコはあまり光沢が強くなく,1つ1つのウロコの中央に尾根のようになった突起部があって,ウロコは線状に光ります.



参考

  1. レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. 埼玉県レッドデータブックについて. “埼玉県生物多様性センター”. https://saitama-biodiversity-center-cessgis.hub.arcgis.com/pages/saitamardb.
  3. 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター” https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
  4. 特定外来生物等一覧. “日本の外来種対策” (環境省 自然環境局). https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list.html.
  5. Borzee, A., Kidera, N., Borkin, L., Orlov, N.L. & Working Group, C. 2021. Hebius vibakari. The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T192162A2049133. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-2.RLTS.T192162A2049133.en. Accessed on 10 September 2023.
  6. Hebius vibakari (Boie, 1826) in GBIF Secretariat. GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/7577116 on 2023-09-10.
  7. ヒバカリ. “Web両爬図鑑”. https://herpetology.raindrop.jp/hebius_vibakari, (参照 2023-09-10).
  8. . “”. , (参照 ).