オオミノコフキタケ Southern Bracket
基本情報
- 和名
- オオミノコフキタケ
- 分類
- 菌界 担子菌門 (キノコ類) ハラタケ綱 タマチョレイタケ目 マンネンタケ科 マンネンタケ属 (Ganoderma)
- 英名
- Southern Bracket
- 学名
- Ganoderma australe
- 状況
写真とメモ
最新の写真
開けた疎林で見つけた,地面から少し突出している白い塊です.もとは小さな切り株?根?があったのだと思いますが,茶色と白の盛り上がりができていて,硬質菌のような外見.以前から,こういうのを園内でたまに見つけたことがあったのですが,これが何なのかわからずにいました.検索してみると,参考3-5のような記述がたくさんでてきて,オオミノコフキタケやその近縁種の幼菌という説にたどり着きました.
白い部分と褐色部分の境界部の拡大.褐色部はスエード(裏革,起毛革)のような質感で,硬いのですが表面がしっとりした感じ.白い部分は盛り上がったところは漆喰のような感じで,その間のくぼんだところには小さな管孔がありました.
管孔のある部分の拡大.よく見ると迷路状にも見えます.これはカサの裏面と同じつくりになっているでしょうか.
立ち枯れの木についていた,いわゆる「サルノコシカケ」的なキノコ.かなり大きくて直径は10cm以上でした.サルノコシカケ類は何年,何十年かけて成長していく種類らしいです.おそらくこれも「何年物」サイズなんだと思います.
近縁種との区別で言うと,オオミノコフキタケ Ganoderma australe はコフキサルノコシカケ Ganoderma applanatum という種類と最近まで区別せずに,コフキサルノコシカケとして扱われていたそうです.コフキサルノコシカケや近縁種のブナサルノコシカケ(学名不明,独立種ではない?)は漢方薬として売買されるそうなので,おそらくオオミノコフキタケも漢方薬になるのですね.コフキサルノコシカケとオオミノコフキタケは表面の色が茶色ですが,断面がチョコレート色なのがオオミノコフキタケで,もっと明るい黄土色なのがコフキサルノコシカケだそうですが個体差が多いとのこと.また,断面の肉質と管孔の層の間に黒い線が入るのがオオミノコフキタケで,入らないのがコフキサルノコシカケという違いもあるようです.オオミノコフキタケとコフキサルノコシカケの違いはかなり微妙で,厳密には胞子のサイズを顕微鏡で確認する必要があるそうなので,確定はしていませんが,オオミノコフキタケが南方系の種類で関東以西とくに平地産はほとんどこれなのに対して,コフキサルノコシカケは北方系の種類で東北地方以北と高山中心とのことなので暫定でオオミノコフキタケということにしておきます.
裏から見るとクリーム色.
サルノコシカケといえば,この種類の形をイメージしますが,分類上はサルノコシカケ科という分類は別にあり,そちらはもっと薄っぺらいキノコです.分厚いキノコのこの仲間はマンネンタケ科というグループに入っています.かつてはサルノコシカケ科に分類されていたそうですが,見直されて分類が移動したようです.
参考
- オオミノコフキタケ。コフキサルノコシカケが2種類に分かれました。 “趣味の自然観察、デジカメ持ってお散歩”. http://shizensanpo.seesaa.net/article/427216416.html.
- オオミノコフキタケとコフキサルノコシカケの違い. “自然検索図鑑”. http://kinoko.zolesystem.info/top/pages/omikohutiga.
- Ganoderma Australe (Southern Bracket) mushroom Stock Photo. In "Dreamstime". Retrieved from https://www.dreamstime.com/stock-photo-ganoderma-australe-southern-bracket-mushroom-tree-also-known-as-adspersum-image77002450.
- Ganoderma australe (Fr.) Pat. 1889. In "Encyclopedia of Life". Retrieved from https://eol.org/pages/1032746.
- Ganoderma australe. In "TMA Fungi".Retrieved from http://www.tma-fungi.co.uk/27.html.
- . “”. (参照 ) .
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