基本情報

和名
ハリエンジュ(ニセアカシア)
分類
被子植物類 真正双子葉類 バラ類 マメ目 マメ科 ハリエンジュ属
英名
Black Locust, False Acacia
学名
Robinia pseudoacacia
状況
外来生物法生態系被害防止外来種 (国外由来の外来種 > 産業管理外来種) (参考1)
IUCN/ISSG 世界の侵略的外来種侵略的外来種(ヨーロッパ、トルコ、韓国)、原産(米国) (参考2)
IUCN レッドリスト 2016-1[LC] Least Concern ver 3.1(絶滅のおそれなし), Pop. trend increasing (個体数増加傾向) (参考3)

写真とメモ

小合溜沿いの林、2016年5月8日午前、晴れ

5月に白い花だらけになる木が園内のあちこちにあります。種類を調べるとハリエンジュ別名ニセアカシアという種類であることがわかりました。花や葉の付き方はいかにもマメ科らしい種類で、枝には鋭いとげがありました。北米原産の外来種で、明治に日本に入ってきて各地に広がり、はちみつ用の蜜の重要な供給源になっているとのこと。アカシアのはちみつとして売られているのはこの種類のはちみつだそうです。アカシアとは、明治に最初に日本に導入されたときにそう呼ばれていた名残りで、のちに本来のアカシアと区別するためにこの種類の学名からニセアカシアと呼ばれるようになったとのこと。

一方、繁殖力が強く、日本ではアカマツなどの陽樹を押しのけて広がり、またこの木の周囲で生える木の種類も変わってしまうことから、外来生物法の要注意外来種、その後の生態系被害防止外来種に指定されていて、各地で伐採が進んでいるという別の面もあるとのこと。はちみつ業界は指定をしないように主張していたようですが、それは実らなかったということなんでしょうね。水元公園では、わたしはてっきり公園樹として植えられているものだと思っていたのですが、こういう経緯を考えると、植えたものなのか、勝手に生えているものなのかどうかわからなくなりました。参考5は、ハリエンジュの拡大スピードが速いのはなぜかの考察。実がきわめて軽くて、中ぐらいの風を受けると舞い上がって飛んで行ってしまうそうです。

小合溜沿いの林、2016年5月8日午前、晴れ

ハリエンジュの花はブドウの房のように「たわわ」という言葉が似合う花の付き方です。木全体が白く見えるぐらい花だらけになります。花は天ぷらとかおひたしで食べることができるそうですが、花以外には毒があって食べられないそうです。

小合溜沿いの林、2016年5月8日午前、晴れ

ハリエンジュの幹。


参考

  1. 生態系被害防止外来種リスト - 『外来生物法(環境省 自然環境局)』 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list.html
  2. issg Database: Distribution of Robinia pseudoacacia - 『ISSG Global Invasive Species Database』 http://www.iucngisd.org/gisd/species.php?sc=572
  3. Robinia pseudoacacia (Black Locust, False Acacia) - 『The IUCN Red List of Threatened Species』 http://www.iucnredlist.org/details/19891648/0
  4. ニセアカシア - 『Wikipedia 日本語版』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%B7%E3%82%A2
  5. ハリエンジュ分布拡大の謎を解く - 『自然原理主義 by TNT-Lab』 http://homepage2.nifty.com/tnt-lab/nat/harienju/harienju.htm
  6. 岩井淳治/いろいろな樹木とその利用/第14回 「ニセアカシア(ハリエンジュ)」 - 『月刊 杉 WEB版 50号』 http://www.m-sugi.com/50/m-sugi_50_iwai.htm