最新の写真

水産試験場跡地,2023年9月10日午後,晴れ

「水辺のさと」入り口付近の池.オニバスが1株育てられていて,広がった葉が池の一角を占めています.大きく広がった葉が7.8枚,もう枯れてしぼんでいる葉や,これから広がる葉などもあります.オニバス1株のサイズ感がよくわかる,図鑑に載っていそうな風景です.

水産試験場跡地,2023年9月10日午後,晴れ

中心付近には花やつぼみがたくさん.



基本情報

和名
オニバス
分類
被子植物類 スイレン目 スイレン科 オニバス属 (Euryale)
英名
Prickly Water Lily, Gorgon Plant, Fox Nut
学名
Euryale ferox
状況
東京都指定文化財(天然記念物):「水元のオニバス」 (参考1)
環境省レッドリスト2020[VU] 絶滅危惧 II 類 (参考2)
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[CR] 絶滅危惧 IA 類,東京都本土部全体における区分:[CR] 絶滅危惧 IA 類 (参考3)
埼玉県レッドデータブック2011 植物編 [CR] 絶滅危惧 IA 類 加須・中川低地における分布状況:○ (参考4)
千葉県レッドデータブック-植物・菌類編(2023年改訂版)[A] 最重要保護生物 (参考5)
IUCN レッドリスト 2023-1[LC] Least Concern ver 3.1 (絶滅のおそれなし), Pop. trend stable (個体数動向 安定) (参考6)

写真とメモ

オニバス池,2023年8月6日午前,晴れ

この夏もオニバスの花を見に行ってきました.フェンスのすき間から池を見ると,今年は葉があまり広がらなかったのかなと思っていましたが.行ってみると,池全体を覆うほどではありませんが,ある程度広がっています.葉で覆われているのは水面の3分の1から半分ぐらいでしょうか.そこにたくさんの花を見ることができました.

オニバス池,2023年8月6日午前,晴れ

オニバスの花を見るたび感じるのは,トゲだらけの葉を突き破って花が水面に顔を出すという恐怖のシステムと,トゲだらけのつぼみが開くときれいな紫と白の花びらが広がる意外性です.見るたび感動的.



オニバス池,2022年7月10日朝,くもり

オニバス池の開放時間に行ってきました.池一面に広がるオニバスの葉とそれを突き破って咲いているたくさんの花を満喫してきました.今まで撮影したうちで,一番キレイに花が開いている写真が撮れたのではないかと思います.

オニバス池,2022年7月10日朝,くもり

開きかけてまだしわしわの葉.おそらく古い葉が風で裏返ってできたスペースに新しい葉が広がったところ?



水産試験場跡地,2021年8月9日お昼,くもり

保全池のオニバスの葉が,おそらく強風であおられてひっくり返って,葉裏がよく見えました.印象的な深い赤紫色がしば漬の色のようです.高さのある葉脈が張り巡らされて区画が分かれていますが,茎に近い葉脈から枝分かれするにつれて,葉脈の太さが細くなっていくのではなく,高い丈がだんだん低くなっていっています.葉が水面に広がっていることを考えると,葉が構造として強さを発揮するには障子の桟のような葉脈の形が役立っているのでしょうね.葉脈には棘があります.

水産試験場跡地,2021年8月9日お昼,くもり



水産試験場跡地 保全池,2019年10月27日お昼,くもり

前回の写真から1ヶ月後のオニバスの株の様子.葉はすっかり枯れ,茎だけが浅い水中に蛇のようにくねりながら走る様子がメデューサの頭を想像させる,ちょっと不気味な光景です.

水産試験場跡地 保全池,2019年9月22日お昼,晴れ

保全池の水が澄んで,水中のオニバスの株がよく見えていました.1株に花の終わった実が20以上できていました.オニバスの花は,水上に出て咲くのはごく一部で,大部分は水中で開くことなく自家受粉するそうです.今年の夏は,園内のオニバスはうまく育ってくれ,オニバスの池も一面葉に覆われていたようです.保全池のオニバスも花をつけていましたね.



水産試験場跡地 保全池,2013年8月25日お昼,くもり

これは,オニバス池ではなくて,保全池の方の株です.今年は,オニバス池のほうは池全体がオニバスの葉でびっしりと覆われるほどうまく育ちましたが,保全池では小さめの葉が何枚か広がる程度,自分が見たときは花も1輪だけでした.その1輪が岸のすぐ近くでしたので上からの写真.花の周りの葉をよく見ると,葉脈に沿ってところどころに長いトゲが生えています.

オニバスは環境省のレッドリスト(参考2),東京都,埼玉県,千葉県などのレッドリスト(参考3-5)にも載っていて,「水元のオニバス」は東京都指定の天然記念物でもあります(参考1).


オニバス開花 ~ 夏のオニバス

2013・夏

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

オニバスの池のオニバスが咲いています.きれいな紫の花びら,その周りのさや?ガク?の内側は濃いピンク色.花の茎は長いトゲでびっしりです.

7月7日に柵の外から観察したときはまだ花が咲いていないように見えましたが,実はまさにその日に公式の開花宣言が出ていたようです.この写真の日は開花宣言からちょうど1週間目です.朝の9時からはじまる池の開放時間を待って見て来ました.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

これは,葉を突き破って花が水面に伸びたところ.全体としてみると,むしろ葉を突き破っている花のほうが多いです.なんてワイルド.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

上の写真,下端が池の手前の縁で,写真の上端はほぼ池の対岸なのですが,水面のかなりの割合を葉に覆われていました.そこに池全体でもう数十の花が水面上に出て咲いています.この写真の視野だけでも,10以上の花が咲いています.ただ,巨大な葉に比べて花が小さいので目立ちません.上の写真をクリックすると,花の見える場所に丸をつけた写真が表示されます.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

広がる前の葉.内側がギザギザで外側がトゲトゲ.まるでスーパーマリオのパックンフラワーのモデルのようです.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

広がりかけた葉と開きかけたつぼみ.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月14日午前,晴れ

今度は花の中が見える角度から写真が撮りたいです.



水産試験場跡地 オニバスの池,2013年7月7日朝,晴れ

茎が伸びて裏返った葉や,まだ伸びきっていない葉が見えます.オニバスの葉の裏の葉脈や,伸びきっていない葉の立体的なシワの様子は迫力です.この日はまだ花は見つけられませんでした.今週半ばから池の鍵が開けられるようですが,この日はまだ池は立入禁止ですので,遠くからの撮影.花も綺麗ですが,葉の裏と若い葉を近くから見てみたいです.

水産試験場跡地 オニバスの池,2013年6月30日お昼,晴れ

去年は台風の影響で花が咲かなかったオニバスの池.今年は今のところ,葉がよく広がってつぼみのようなものも見え始めています.このまま順調に育ってくれれば,もうすぐ開花ですね!


オニバスの実 ~ 秋のオニバス

2012・秋

水産試験場跡地 保全池,2012年9月29日午後,くもり

オニバスの花の季節はもうとっくに終わっていますが,オニバス見てきました.

今年はオニバス池のほうは台風の影響とかで花どころか葉もみられませんでしたが,金魚展示場の入口に,「平成24年」の日付の入ったオニバスの花の写真が掲示してあるではないですか.係の方に伺うと,保全池では花も咲いたとのこと.いまは葉はまだしっかりついていますが,実の季節です.手前ににょきっと飛び出しているのが実.厳密に言うと,天然記念物「水元のオニバス」は「東京都水産試験場A18号池」(たぶんオニバス池のこと)に「自生」するオニバスを指すので,保全池で栽培管理されているものは天然記念物ではないかも.

水産試験場跡地 保全池,2012年9月29日午後,くもり

これが1株の様子.中心部には実がたくさん飛び出していて,その周囲に葉が何枚も広がっています.一年生の植物なので(参考6),秋冬には葉はぜんぶ枯れてしまうようで,もう黄色くなっている葉もあります.実の中にある種から,また来年新しい株が生えてくると.

水産試験場跡地 保全池,2012年9月29日午後,くもり

中には,葉を突き破って飛び出す実も.

水産試験場跡地 保全池,2012年9月29日午後,くもり

株の中央部付近.トゲトゲした実が一番集まっているところです.

水産試験場跡地 保全池,2012年9月29日午後,くもり

「オニ」という名前は,「大きなもの」につけると言われています(参考7).確かに大抵の場合,それに当てはまりますが,それとは別の命名意図「鬼を連想させるもの」というのも絶対にあると思うのです.そのひとつはオニクワガタで,この種類はクワガタとしてはごく小さい種で,オスの大アゴもごく小さいですが,その大アゴの具合が鬼の角のように不気味に反り返っています(参考8).もうひとつがこのオニバスです.ギザギザした葉といい,トゲトゲの実といい,地獄の鬼を思わせる不気味さです.かっこいいですね!



参考

  1. 水元のオニバス. “東京都文化財情報データベース(東京都教育庁地域教育支援部)”. https://bunkazai.metro.tokyo.lg.jp/il/meta_pub/G0000002jabunkazai_J254220059, (参照 2023-08-14).
  2. レッドデータブック・レッドリスト. “生物情報 収集・提供システム いきものログ” (環境省生物多様性センター). https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist.
  3. レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  4. 埼玉県レッドデータブックについて. “埼玉県生物多様性センター”. https://saitama-biodiversity-center-cessgis.hub.arcgis.com/pages/saitamardb.
  5. 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター” https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
  6. Zhuang, X. 2011. Euryale ferox. The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T168756A6535154. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2011-2.RLTS.T168756A6535154.en. Accessed on 02 January 2024.
  7. 動物界における「オニ」の意味. “Yahoo知恵袋”. https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1428642239, (参照 2023-08-14).
  8. オニクワガタ.“こんちゅう探偵団”. https://blog.goo.ne.jp/necydalis_major/e/4671280a1b8932ac32503cc09ed9bf16, (参照 2023-08-14).
  9. . “”. , (参照 ).