基本情報

和名
コブアリノスアブ
分類
節足動物門 昆虫綱 ハエ目 ハナアブ科 アリノスアブ亜科 アリノスアブ族 Metadon
英名
(in Jpn.) Kobu-arinosu-abu; A Species of Myrmecophilous Hoverflis
学名
Metadon tuberculatus (Meijere, 1913)
Syn. Microdon tuberculatus Meijere, 1913
状況
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[NT] 準絶滅危惧,東京都本土部全体における区分:[DD] 情報不足 (参考1)
埼玉県レッドデータブック動物編2018(第4版) 加須・中川低地における区分:(未指定)[LP] 絶滅のおそれのある地域個体群,全県における区分:[NT2] 準絶滅危惧 (参考2)
千葉県レッドリスト-動物編(2019年改訂版)[A] 最重要保護生物 (参考3)

写真とメモ

小合溜沿いの草地,2024年5月6日朝,くもり

ギシギシの葉上で.初めて見る虫でした.その場ではハチかアブかわからず.ちょっとくびれた体型と棍棒状の触角をもつ虫として,ダイミョウキマダラハナバチとかハチモドキハナアブなどと印象が似ているかなという感じ.横から見ると白い平均棍が見えるのでアブの一種を想定.細毛が生えているがツヤがある体が独特です.腹部の節間に黄色い帯があり,頭部や前胸部には暗赤褐色の部分があります.絶滅危惧種のコブアリノスアブという種類がぴったりでした.参考4によると,東京都では,2000年以降の報告された記録としては練馬区と八王子市しかないとのこと.

小合溜沿いの草地,2024年5月6日朝,くもり

アリノスアブ類はハナアブ科ですが,幼虫がアリの巣に寄生するグループでこの名があります.ハナアブと言っても,アリノスアブの形態はバラエティに富んでいるようです.コブアリノスアブの「コブ」は,頭部の複眼の後ろの赤褐色の部分がコブ状に盛り上がっていることから.コブアリノスアブの幼虫が寄生するアリはハリブトシリアゲアリと決まっているようです.園内ではそのアリに気づいたことがありません.

小合溜沿いの草地,2024年5月6日朝,くもり

この日見たのはこの1個体だけ.年1回5月に成虫になるとのことでちょうどタイミングがあったようです.アリノスアブ類を見たのがこの種類がはじめてで、まだ(絶滅危惧種でない)他の種類を見たことがありません。この公園ではコブアリノスアブのほうが個体数が多いのでしょうか。



園内の林,2024年5月12日朝,くもり

翌週,園内の別の場所でまたコブアリノスアブを見つけました.今度は草地ではなく,林内の道端です.止まっているのはキツネノボタンかな.



参考

  1. レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. 埼玉県レッドデータブックについて. “埼玉県生物多様性センター”. https://saitama-biodiversity-center-cessgis.hub.arcgis.com/pages/saitamardb.
  3. 千葉県レッドデータブック・レッドリストについて. “千葉県環境生活部自然保護課 生物多様性センター” https://www.bdcchiba.jp/reddatebook_redlist.
  4. コブアリノスアブ. “東京都レッドデータブック”. https://tokyo-rdb.metro.tokyo.lg.jp/%E3%82%B3%E3%83%96%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%96/, (参照 2024-06-16).
  5. . “”. , (参照 ).