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園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

疎林の道端に生えていたシダの葉裏に,大きくて丸い印象的なソーラス(胞子嚢群)がびっしりついていました.葉は1回羽状複葉で深裂があります.その1つ1つの小羽片ごとに4~6コぐらいのソーラスがあります.中軸には黒褐色の鱗片あり.

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

ソーラスの拡大.黒々とした丸いベアリングみたいな胞子嚢が円形に並びます.その表面に半透明な膜状に見えるのが包膜だと思います.早落性とのことですが(参考2),周囲から胞子嚢が膨らんできて中央にクシャッとなっている様子.

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

株の全景.日陰で,長さ数十cmで葉が出ています.

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

葉の全体.中程からしたの羽片は同じぐらいの長さ.これをひっくり返すと,中程から上にソーラスがついていました.

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

葉表の拡大.厚みがありますがツヤがありません.羽片が深裂して小羽片っぽくなっています.周囲は鋸歯あり.

園内の疎林,2024年5月12日朝,くもり

株の付け根.



基本情報

和名
オクマワラビ
分類
(シダ・コケ) (シダ類) ウラボシ綱 ウラボシ目 オシダ科 オシダ亜科 オシダ属 (Dryopteris)
英名
Uniform Wood Fern
学名
Dryopteris uniformis (Makino) Makino
状況

写真とメモ

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

水産試験場の復元池の水路のシダ類の多い群落で.何種類か区別できた種類のうち,もっともシダらしい外見のがこれでした.シダの葉というと茎から左右にたくさんの葉が出て,その葉が更に分かれて…というフラクタル的な階層構造が見事なイメージですが,まさにそういう葉を持つ種類です.

オクマワラビは日本の他,朝鮮半島から中国などに分布する常緑性のシダです.オシダ属に含まれますが,オシダは雄羊歯の意味で,茎が太く鱗片があり,勢いよく広がる形からオスのイメージで付けられた名前とのこと.近縁種にクマワラビという種類があり,オクマワラビとの区別点は,葉裏の胞子嚢群(ソーラス)の分布の違いです.クマワラビは葉の先端部の幅の細い部分だけにソーラスがあるのが他の種類と違う特徴で,オクマワラビは葉の半分あたりまでソーラスがあります.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

葉の裏面.葉の先端から半分ぐらいまでソーラスがつくとのこと.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

葉の拡大.画面左奥にある中軸(葉の中央の茎)から出る葉を羽片,そこから分かれる葉を小羽片というようですが,小羽片にきれいな葉脈の模様が並んでいます.

水産試験場跡地,2021年12月5日午前,晴れ

水路際の風景.このあたりはオクマワラビ地帯.

水産試験場跡地,2021年12月16日午前,晴れ

下部の根元付近.茎には茶色の大きな鱗片がついています.



参考

  1. オクマワラビ. “三河の植物観察”. https://mikawanoyasou.org/sida/okumawarabi.htm, (参照 2022-04-13).
  2. オクマワラビ. “松江の花図鑑”. https://matsue-hana.com/hana/okumawarabi.html, (参照 2022-04-13).
  3. . “”. , (参照 ).