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園内の疎林,2024年6月9日朝,くもり

以前にテントウノミハムシをたくさん見つけたイボタノキ.前回から1ヶ月後ですが,この日もたくさんの成虫がいました.葉は食痕とフンだらけです.テントウノミハムシの生活史は,越冬した成虫が春に出てきて産卵,幼虫は葉に潜って夏の間成長し,秋に新成虫が羽化とのこと.

翅の斑紋に変異が大きいようで,典型的でない斑紋の個体を探してみました.上の写真はオレンジ色の斑紋が翅全体に広がっているタイプ.

園内の疎林,2024年6月9日朝,くもり

こちらはオレンジ色の斑紋が大きめでそれ以外の地色が黒ではなく赤みがかっているもの.

園内の疎林,2024年6月9日朝,くもり

この個体は,通常は翅の前半部にあるオレンジ色の斑紋が少し大きめで後半部にかかっているもの.



基本情報

和名
テントウノミハムシ
分類
節足動物門 昆虫綱 コウチュウ目 ハムシ科 テントウノミハムシ属 (Argopistes)
英名
(in Jpn.) Tento-nomi-hamushi; A Species of Flea Beetles
学名
Argopistes biplagiatus Motschulsky, 1860
状況

写真とメモ

園内の疎林,2024年5月6日朝,くもり

水辺に生えているイボタノキの低木で,体色がきれいなシマクロハバチが集まっているところを見ているときに,葉表に止まる小さなテントウムシを多数発見.写真を拡大すると,体型はテントウらしいのですが,触角が長いところはテントウらしくないのに気づきました.帰って調べたところ,ノミハムシ類のテントウノミハムシにたどり着きました.この日見た中では斑紋には変異があり,翅の左右にある橙色の大きな斑紋が丸いもの,不定形なもの,翅全体に広がっているものなどがいました.

よく似たヘリグロテントウノミハムシという種類もいるとのことで,参考2によると区別点は前胸背前縁の中央部が盛り上がって前方に突出しているのがテントウノミハムシで,そうなっていないのがヘリグロ~とのこと.写真では突出しているように見えます.テントウノミハムシの主な植樹(産卵する木)はトネリコやイボタノキ,ヘリグロテントウノミハムシの植樹はヒイラギモクセイ,ヒイラギ,ネズミモチなどとのこと.

園内の疎林,2024年5月6日朝,くもり

葉には食痕が多数ありました.歯の表面をこそげるように食べている様子でした.周囲には小さなフンが.



参考

  1. Argopistes biplagiatus in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/10331210 on 2024-06-11.
  2. テントウノミハムシ、ヘリグロテントウノミハムシ。テントウムシそっくりなハムシです。 “趣味の自然観察、デジカメ持ってお散歩”. http://shizensanpo.seesaa.net/article/439692595.html, (参照 2024-06-11).
  3. 井上:テントウノミハムシ属(Argopistes) 2種の樹上における生息習性の比較.日本応用動物昆虫学会誌 34(3), 217-226, 1990. https://doi.org/10.1303/jjaez.34.217.
  4. テントウノムハムシ. “森林生物データベース”(森林総合研究所). https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/seibut/bcg/bcg00096.html, (参照 2024-06-11).
  5. ヘリグロテントウノミハムシ. “森林生物データベース”(森林総合研究所). https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/seibut/bcg/bcg00147.html, (参照 2024-06-11).
  6. . “”. , (参照 ).