基本情報

和名
ムサシノキスゲ(ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)の品種)
分類
被子植物類 単子葉類 キジカクシ目 ススキノキ科 キスゲ亜科 ワスレグサ属 (Hemerocallis)
英名
(in Jpn.) Musashino-kisuge; a species of Daylily
学名
Hemerocallis middendorfii var. esculenta f. musashiensis,
syn. Hemerocallis dumortieri var. esculenta f. musashiensis,
Hemerocallis esculenta f. musashiensis
状況
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[・] 非分布,東京都本土部全体における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類 (ただし,ゼンテイカとして)(参考1)
東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版 東京都区部における区分:[・] 非分布,東京都本土部全体における区分:[VU] 絶滅危惧 II 類 (ただし,品種ムサシノキスゲとして)(参考1)
埼玉県レッドデータブック2011 植物編 [VU] 絶滅危惧 II 類 加須・中川低地における分布状況:○ (ただし,ゼンテイカとして)(参考2)

写真とメモ

野草園,2016年5月8日お昼,晴れ

野草園に咲いていた黄色いユリのような花にはムサシノキスゲの名札がついていました.夏の高山の草原に咲くゼンテイカ(ニッコウキスゲ)とそっくりの花です.ムサシノキスゲは,そのゼンテイカの低地に生える品種のようで,分布が非常に限られていて,府中にある浅間山公園(せんげんやま・こうえん)に生えるそうです.なんてピンポイント.浅間山公園には,ムサシノキスゲが一面に咲く場所があり,手厚く保護されているとのこと(参考4).その株を水元公園の野草園に移植したのでしょうね.

ムサシノキスゲとふつうのゼンテイカ(ニッコウキスゲ)の区別については,まだ資料を見つけることができていません.東京では,ムサシノキスゲの他にも,奥多摩のほうに低地性のゼンテイカが分布するようで,そちらもレッドリストに登録されていますので,「低地に生える」ということ以外にも形の上の区別点があるのだと思います.

野草園,2016年5月8日お昼,晴れ

日本の高原や寒冷地に分布するゼンテイカ(ニッコウキスゲ)の現在の主流の分類では,Hemerocallis middendorfii var. esculenta という学名をあて,沿海州から朝鮮,日本に分布するオオゼンテイカ Hemerocallis middendorfii という種の変種として扱われるようです(参考4,5).


参考

  1. レッドリスト・レッドデータブック・植生図. “東京都環境局”. https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/red_data_book/.
  2. 埼玉県レッドデータブックについて. “埼玉県生物多様性センター”. https://saitama-biodiversity-center-cessgis.hub.arcgis.com/pages/saitamardb.
  3. 2021.04.28 府中にだけ咲く希少種「ムサシノキスゲ」が見頃 唯一の自生地・都立浅間山公園で. “調布経済新聞”. https://chofu.keizai.biz/headline/3465/
  4. Hemerocallis middendorffii Trautv. & C.A.Mey. in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/2781057 on 2024-01-01.
  5. Hemerocallis middendorffii var. esculenta (Koidz.) Ohwi in GBIF Secretariat (2023). GBIF Backbone Taxonomy. Checklist dataset https://doi.org/10.15468/39omei accessed via https://www.gbif.org/species/2781037 on 2024-01-01.
  6. . “”. , (参照 ).