ツノロウムシ Indian Wax Scale
基本情報
- 和名
- ツノロウムシ
- 分類
- 節足動物門 昆虫綱 カメムシ目 アブラムシ亜目 カタカイガラムシ科 ロウムシ属
- 英名
- Indian Wax Scale
- 学名
- Ceroplastes ceriferus
- 状況
写真とメモ
林内の葉の落ちた枝で見つけた白っぽいかたまり。園内で見つけたのは初めてでしたが、カイガラムシのようでした。カイガラムシはカメムシ目に属する昆虫で、植物の汁を吸って生きています。こういう独特の外見をしているのはメスで、オスは翅の生えた昆虫っぽい体を持つとのことです。メスの体は、体から分泌したロウ状物質で厚くおおわれて外からは体が見えず、足などもないので移動しない固着生活をします。ツノロウムシというのは後で調べてわかった名前ですが、虫の体は見ていません。ツノロウムシの体をおおう物質は、光るような明るい白で、ちょっとピンクがかっています。体の側面に当たる場所に丸くくるっとカールしたような場所があり、全体の印象がピッピというポケモンを思い出させます。
カイガラムシ類は、ロウ状物質で覆われているために、農薬の効きにくい、やっかいな害虫という側面がありますが(参考2,3)、種類によってはかつてはロウソクの原料としたり、体内に色素を溜める種類があって色素の原料となる種類もいるなど、人間生活と関係が深いグループです。参考4には、カイガラムシを電子レンジにかけて、ロウを溶かして、中にいる虫の体を見ている写真がありました。まさに足のない昆虫です。参考5には、ロウ状物質がまだあまり蓄積していない状態で、ツノが見える写真がありました。
ツノロウムシなどのカイガラムシ類は、年1回春に卵が孵化し、幼虫のうちは足もあって移動できます。翅の生えたオス成虫がメスの幼虫のところまで飛んできて交尾し、メスはその後成虫になるとロウで覆われた形になるそうです。メスが産んだ卵はロウ状物質の下で越冬するとのこと。
カイガラムシ類はカメムシ目の中で、かつてはヨコバイ亜目というグループで、ヨコバイやセミなど近縁と考えられてきましたが、DNA解析の結果、アブラムシ類とともに、カメムシ目の他の種類からもっとも遠いグループであることがわかり、腹吻亜目というグループに分類されています。
参考
- 森林生物 ツノロウムシ - 『国立研究開発法人 森林研究・整備機構』 https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/seibut/bcg/bcg00247.html
- ツノロウムシ - 『有田病害虫図鑑(有田みかんデータベース)』 http://www.mikan.gr.jp/byocyu/gaichu/tunorou/index.html
- ツノロウムシ - 『一般社団法人 日本造園組合連合会』 https://jflc.or.jp/index.php?itemid=133&catid=137
- ツノロウムシでコチニール色素を作ってついでに食べてみた - 『夜食ハンマープライス』 https://www.outdoorfoodgathering.jp/outdoorfood/tsunoroumushi/
- Ceroplastes ceriferus - 『Scale Insects』 http://www.idtools.org/id/scales/factsheet.php?name=6874
- - 『』
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